現在、国内の労働災害において、墜落や転落による事故が年間21,221件に上っている。そのため、厚生労働省は、労働安全衛生法の改正を行い、2019年2月1日の施行から安全基準を厳格化した。その中で、高所作業において使用される「安全帯」の規格は原則としてフルハーネス型に見直されている。
こうした中、作業現場において労働災害を防止し、安全管理水準の向上を実現することは、企業にとって重要な課題となっている。さらに、新常態では現場での密な状況を避けるため、人同士の接触が制限されるという働き方に変わっており、管理者による作業員の安全指導が困難になっている。
株式会社日立ソリューションズは、画像認識AI技術を活用し、作業員の安全装備の装着の有無や特定の危険な行動をカメラの映像から自動検知する「作業員安全確保支援ソリューション」を2021年6月15日から販売を開始する。
さらに、企業特有の装備品や不安全行動を、追加で学習させることも可能なため、企業のルールに合わせた安全管理を推進することが可能です。
同ソリューションは、作業現場で撮影した監視カメラなどの映像から、作業員のヘルメットやマスク、ハーネスなどの安全装備の未装着、歩きスマホやポケットに手を入れたまま歩く動作など、予めAIが学習した不安全行動を画像認識AIが自動で検知する。学習済みのAIを活用することで、準備期間を短縮しスムーズに導入できる。また、業種特有の装備品や不安全行動を判定したい場合は、追加で学習させることができる。
さらに、企業の要望に応じて、一定時間危険な状態が続いた際は管理者にメールでアラート通知を行い、パトランプの点灯などで注意喚起することも可能だ。これにより、現場管理者は目視で確認していた作業員の安全確認作業を遠隔監視で行えるようになり、業務効率向上と安全管理の徹底を図ることができる。
同ソリューションの導入により、管理者は人手をかけずに遠隔での作業員の安全管理を迅速かつ適切に行うことが可能となる。
今回、工場や建設現場などで行った実証実験では、600件の画像をAIに学習させて実験を行った結果、正答率が93%以上だったことから、安全装備や不安全行動が検知できたことを確認した。
同ソリューションはクラウドとオンプレミス環境のいずれも選択可能で、各料金としてクラウドでは接続カメラ1台あたり月額38,500円~、オンプレミスでは接続カメラ5台で月額192,500円だ。
なお、クラウドは月額66,000円の基本サービス利用契約が別途必要となっており、1契約でカメラ5台まで拡張可能で、6台以上は応相談としている。また、オンプレミスは接続カメラ台数に応じたソフトウェア利用契約が必要で、1契約でカメラ5台まで接続可能で、6台以上は応相談としている。
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