国内製造業では、高齢化による労働力不足を補うため、機械やロボットによる自動化の推進が急務となっている。一方、製造装置の保守点検作業に関しては、いまだ熟練作業員の感覚に依存しているという状況がある。
THK株式会社は、その打開策として「簡単・安全・初期コストゼロ」をコンセプトに、IoTを利用して機械要素部品の状態判断や予兆検知を実現する製造業向けIoTサービス「OMNIedge」を開発し、2020年から展開している。OMNIedgeを用いることで、人手によらず定量的に部品の状態を常時把握し、適切なタイミングでの保全実施が可能になることから、突然機械が故障するリスクの低減に貢献してきた。
しかしながら、製造現場で部品の状態基準保全(Condition Based Maintenance、以下、CBM)を導入する際の課題は、部品故障の予兆が把握できるだけでは解決しないことも分かってきた。機械が故障した際、迅速に修理して正常な状態に戻すために必要な部品の入手可能性や、万一、センサが反応せず故障が起きた場合、修理に係る金銭的負担に対する不安が生じる。
このほどTHKは、製造現場での機械要素部品のCBMの導入を加速させるため、OMNIedgeの新たな特典として「製造ゼロ待ちチケット」および「IoTリスク補償」の提供を2021年9月1日から開始する。
製造ゼロ待ちチケットは、OMNIedgeを利用する企業の機械・装置において、センサを取り付けたLMガイドやボールねじなどの機械要素部品の不調・異変により交換を迫られた際、優先的に待ち時間ゼロでTHK工場に交換部品の製造を手配できる特典である。OMNIedge搭載の装置であれば、製造ゼロ待ちチケットにより納期の心配なく代替用製品が手配可能となる。
一方のIoTリスク補償は、OMNIedgeの予兆検知機能が働かず、センサを取り付けていた機械要素部品(LMガイド、ボールねじ、アクチュエータ)に損壊が発生した場合に限り、原因箇所の機械要素部品の価格と交換に係る作業費(最大100万円まで)が東京海上日動の保険によって補償される。
これらはOMNIedgeの特典として契約時に自動付帯されるため、特別な手続きは不要だ。
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