オムロン株式会社は、電子基板の高精度な外観検査をスキルレスに自動化する、撮像技術とAI搭載の基板外観検査装置「VT-S10シリーズ」を2021年8月5日からグローバルで発売する。
同製品は、オムロン独自のMDMC(Multi Direction Multi Color)照明を活用し、基板や部品のより高精度な検査を実現する撮像技術を開発した。照射角度、色、光量を自在に制御することで、従来の撮像方式に比べ、はんだの形状がより正確に捉えられることに加え、隣接する背高部品の影の影響排除や基板上のパターンや部品面上の印字を正確に捉えることが可能となった。これにより、設定工数を約70%削減できたという。 MDMC照明はんだの形状を3D抽出左:撮像イメージ 右:文字検査のイメージ
また、これまで積み上げてきたはんだ形状検査に関する知見に加え、MDMC照明により獲得した画像を活用し、はんだ検査に特化したAIを開発した。このAI検査とMDMCによる定量検査を組み合わせることで、ティーチングスキルの低減と見過ぎ削減を両立することに成功した。ある企業との実証実験では、目視工数を85%削減することが確認できた。
さらに、他社製造設備とデータ連携することで、品質傾向を把握し未然に不良発生を防止することが可能なほか、各工程の検査結果を数値・画像含めデータ化することで品質の見える化が可能だ。ある企業とのM2Mシステムを用いた実証実験では、品質バラツキを不良発生前に検知・対処することで、不良発生率を50%以上削減することに成功した。