これまで、飲料を製造する際の原料の開梱および投入工程のほとんどは手作業で行われてきた。紅茶飲料や緑茶飲料を製造する際の茶葉原料の開梱および投入工程についても、最大25kgの茶葉が入った段ボールから手作業で投入していることから、重労働作業のため従業員の負担が大きいことや、誤投入や投入忘れのリスクがあることが課題となっていた。
特に、重筋作業においては「労働基準法」や「職場における腰痛予防対策指針」などで重量物の運搬に関する制限(努力義務を含む)が定められているなど、将来にわたって女性を含め多様な人材が活躍する上での制約となっていた。
今回、異なる役割を持つ計4台のロボットを導入する。ロボットが茶葉の入った段ボールを開梱して内袋から取り出した後、茶葉投入口へ茶葉を搬送して茶葉投入を行う。様々なサイズの段ボールに対応するとともに、最大で25kgの段ボールに対応することが可能な設計となっている。各ロボットの機能は以下の通り。
- R1ロボット(パレット搬送ロボット)
- R2ロボット(デパレタイズ(※3)、段ボール開梱・解体ロボット)
- R3ロボット(茶葉投入ロボット)
- R4ロボット(袋カット、内袋取出ハンドロボット)
茶葉パレットをストックエリア(※1)、デパレステーション(※2)に搬送する。
パレットから段ボール・クラフト袋をデパレタイズし、段ボールの開梱・解体を実施する。各段ボールは画像センサーで品目識別し、誤投入を防止する。
専用容器に茶葉を受け渡し、茶葉投入ホッパー(※4)に茶葉を投入する。
超音波カッターを利用し、茶葉の内袋(段ボール)およびクラフト袋を開封する。また、投入後の内袋(段ボール)を取り出す。
今回の導入により、1人分強の省人化、年間約2,300時間の業務負荷削減につながるとともに、茶葉投入自動化による重筋作業の廃止ならびに労働災害の未然防止、重量取り扱い制限がなくなることによる、女性やシニア世代を含めた多様性のあるフレキシブルな業務配置、自動化による投入忘れ防止と品種識別機能採用による誤投入防止が期待できる。
※1 ストックエリア:茶葉が梱包された段ボール・クラフト袋をパレット上で保管するエリア。
※2 デパレステーション:R2ロボットがデパレタイズ※4する場所を指す。
※3 デパレタイズ:パレットから段ボールやクラフト袋を1つずつ取り出す作業。
※4 茶葉投入ホッパー:茶葉を受け入れるタンク。
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