製造業の現場では、設備の突発故障による生産停止や部品の廃棄ロス、保全員の緊急対応が工場全体の生産性に影響を及ぼしていることが課題となっている。
そこでオムロン株式会社は、車や半導体の生産プロセスで使用されるヒーター設備の劣化傾向を、スキルレスで見える化し、予兆保全を可能とする状態監視機器「K7TM」(トップ画)を、2022年4月1日からグローバルで発売開始する。
「K7TM」は、設備を稼働させながらヒーターの適切な抵抗値の自動計測を可能としたことで、ヒーターの劣化傾向を数値で把握することができる。ヒーターの抵抗値は温度制御の影響を受けず自動で測定し、変化率を算出することができ、ヒーターの温度特性の影響を最小化する監視手法で、より高い精度でヒーターの劣化傾向を把握することが可能だ。
これにより、ヒーターの定期メンテナンスに伴う生産停止や、再稼働時にヒーターを高温加熱するためのエネルギーと立ち上げ時間を最小化する。
また、オムロンが提供する、マシーンオートメーションコントローラーやプログラマブルターミナルなどの商品ラインアップと連携し、ヒーター毎の抵抗値の変化率データを蓄積することで、ヒーターの状態に合わせた適切なタイミングでの保全活動を促す。
さらに、「K7TM」ではヒーター毎の電力も常時計測できるため、データの組み合わせで設備のわずかな異常兆候もとらえ、最適な状態での生産により、製品の品質維持にも貢献する。
なお、既存設備への導入も可能で、ヒーターの電圧とクランプ式電流センサーにより、ヒーターの電流値を計測することでヒーターの劣化傾向の監視を行うことができる。

その他にも、タッチパネルやPLC、通信変換器を使用したネットワーク接続や、電力の常時監視なども行うことができる。
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