株式会社IHIは、装置や設備の稼働データをクラウドサーバに集積し、モニタリング、データ分析、データ利活用により、故障予兆検出や稼働率向上を図るIoT基盤ILIPS(IHI group Lifecyle Partner System)を展開している。
そして株式会社NTTデータの協力のもと、ILIPS上に、各データから算出したCO2排出・削減量を、ブロックチェーン技術により記録・見える化し、環境価値に変換して外部市場に流通させる仕組み「環境価値管理プラットフォーム」を構築し、実装を開始した。
「環境価値管理プラットフォーム」では、ILIPSクラウドに蓄積された稼働データから、自動で従来のCO2の排出量および削減量を計算し、ブロックチェーンにて記録・見える化している。
さらに、創出したCO2削減量を「クレジット」として国が認証する制度、J-クレジット取引市場(ezzmo)への流通を見据えて、スマートコントラクトによりトークン(デジタル証明書)化し、環境価値として外部へ連携する機能を実装した。

取引のためには、信頼性が担保された排出・削減量のモニタリングと結果報告および検証が重要になるが、ブロックチェーン技術を活用することで複数の企業でデータを共同管理するため、透明性・信頼性が確保され、データが改竄されることを防ぐことができる。
「環境価値管理プラットフォーム」は2021年10月から3ヵ月間、ILIPSを搭載している複数製品においてトライアルで適用し、CO2排出・削減量の記録・見える化から、環境価値への変換について運用を確認した。
今後は、IHIグループ製品に限らず、稼働データを収集できる様々な装置・設備への展開を計画している。
また、環境価値の取引・流通の拡大を図るため、パートナー企業と共にコンソーシアム型連携の実証事業なども進めていくとしている。
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