凸版印刷株式会社はこれまで、製造現場などにおいて、Bluetooth技術による位置情報とネットワークカメラ映像を組み合わせた作業管理サービス「ID-Watchy」を提供してきた。
しかしBluetoothでは電波測定誤差が最大1〜2m程度生じるため、cm級の高精度な計測を必要とする場合には適していないことが課題だった。
そうした中、凸版印刷は本日、超広帯域無線通信(Ultra Wide Band、以下 UWB)を活用した、電波測定誤差10〜20cm程度まで正確な計測が可能な位置情報と、ネットワークカメラ映像を組み合わせて、高精度での作業の見える化を実現する「ID-Watchy」UWB版を開発し、2022年5月より食品業界や製造業などに向け販売を開始することを発表した。
これにより、例えば1m間隔で左右に位置する棚や、植物などの間を移動しながら作業をする作業者が、どの場所のどちら側でどれだけ作業をしていたかなどを正確に把握することができ、精度の高い作業量の見積や作業計画が可能となる。

また、凸版印刷が2017年10月から参画している農林水産省の委託プロジェクト研究を通し、UWB技術の活用に向けた「ID-Watchy」UWB版の実証実験を2021年7月から10月まで実施し、その効果を確認したことを発表した。
実証実験では、作業者の詳細な労務把握という課題に対し、「ID-Watchy」UWB版を用いたプロトタイプシステムを導入。実際の太陽光植物工場の作業管理を行い、システムの有効性が確認されたという。(トップ画参照)
凸版印刷は、「ID-Watchy」UWB版がラインアップに追加されることにより、導入企業は用途や条件、費用などにあわせて従来の「ID-Watchy」(Bluetooth版)と今回のUWB版から選択することができるとしている。
「ID-Watchy®」UWB版の特長
作業状況管理
UWBの活用で記録した電波測定誤差10〜20cm程度の高精度の位置情報と、ネットワークカメラ映像を一元管理し、管理者は遠隔でも現場作業員一人ひとりの作業状況をリアルタイムに確認。作業員別の滞留時間や動線などをリアルタイムで分析することができる。
教育ツールとしての活用
業務に熟練した作業員の最適な動作の映像データを、作業マニュアルとして活用することで、未習熟な作業員の教育ツールとしても活用することができる。
負荷のない位置情報の把握
ICカードなどのような能動的な読み取り動作を必要とせず、専用のカード端末を作業員や資材に携帯・付帯することで、位置情報を記録することが可能。
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