製造現場では、技能継承の課題を背景に、「遠隔化・自動化」の推進が求められている。しかし、現場への装置導入およびオペレーションの変更が伴うことが必至となるため、導入までに数年を要するケースも少なくなく、費用対効果が明確にになりづらいという課題もあった。
そこで株式会社エクサウィザーズは、同社が提供するロボットAIソリューション「exaBase ロボティクス」により、製造プロセスにおける熟練作業の可視化・技能継承を実現する「exaBase スキルトランスファー」の提供を開始した。
「exaBase スキルトランスファー」は、現状のオペレーションにどの程度時間を要しているのか、またそれがどの程度属人的なものになっているかを可視化するサービスだ。
活用例としては、食品工場における評価基準の精緻化によるオペレーション変革や、建築・土木業界における作業の平準化、製造ラインにおける機器制御条件の算出を自動で最適化するなどが挙げられている。
「exaBase スキルトランスファー」概要2>
構想策定
最終的な可視化・自動化を見据え、必要となるデータ・プロセスの構想設計を実施する。これまで一般的なデータ分析プロジェクトにおいて、仮説で取り付けたセンサデータを集積し、分析を実施する際には以下のような課題が散見された。
- データにノイズが含まれる
- 取得データに偏りがある
- 他センサーデータと取得頻度が異なり、掛け合わせが難しい
- データの前処理に時間やコストがかさみ、PoC(概念実証)止まりとなる
上記のような課題に対し、ロボットAI制御の知見から、最終的な分析を行う上で扱いやすいセンサの選定支援と取得すべきデータ形式について定義する。
データ収集及び前処理実施
複数系統かつ時系列データを扱う上での前処理工程をサポートする。具体的には、ロボットAI制御の知見によるノイズ除去アルゴリズムの選定、複数のデータ形式を含むマルチモーダルデータの統合評価、明示化されていない作業単位の切り出しなどを用いる。
熟練技能に紐づくデータの可視化
前処理の結果を元に、多数のアルゴリズムを用いて目的変数に対し寄与度の高い変数を抽出することで、現場や経営での判断を支援する。
目的と評価過程を協議の上で必要となるアルゴリズムを選定し、熟練技能に紐づくデータの可視化。特に寄与度の高い因子の特定を行う。その上で同因子について、自動化を行うか、管理幅を厳格化するなどの打ち手の検討を行う。
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