従来、ビルや工場などの建造物内などでの水漏れ検知システムは、大掛かりな電源や配線などの敷設工事が必要で、後付けできるものは、乾電池を使った音などでお知らせする簡易的なものに限られていた。
ぷらっとホーム株式会社が提供する「漏水検知システム構築用パッケージ」は、エイブリック株式会社が開発したCLEAN-Boost技術により、バッテリレス・ワイヤレスで後付け設置できる漏水センサとぷらっとホームのIoTゲートウェイ「OpenBlocks IoTシリーズ」がセットとなっており、漏水検知時にメールが発信されるシステムの基礎構築がなされているパッケージである。
このほどぷらっとホームは、漏水検知システム構築用パッケージに、株式会社パトライトの協力を得た新ラインナップ「漏水検知システム構築用パッケージ・積層表示灯パッケージ」を発表した。なお、出荷開始日は2022年10月下旬としている。
同パッケージは、従来のパッケージに加え、パトライトの積層表示灯をセットにすることにより、漏水検知時にメールだけでなく光や音でも知らせることができるようになった。
具体的には、漏水検知を光や音、任意の文章で通知する「積層表示灯基本パッケージ」、工場などの警報盤でお知らせできる「接点接続パッケージ」、Ethernetで電源が供給できるPoE規格対応により、漏水を光や音でお知らせするだけでなく、配線数も少なくできる「PoEパッケージ」の3パッケージが用意されている。
同パッケージに同梱される「バッテリレス漏水センサ」は、非常に微弱なマイクロワットレベルのエネルギーを集めて電荷を蓄え、それを昇圧することで電池を使用することなく、電波を発信させることができるCLEAN-Boost技術を採用し、バッテリー不要かつBLEによる無線で、大掛かりな配線工事や電池交換の手間もかからず、メンテナンスがしにくい場所にも設置することができる。
また、水滴レベルのごく微量の水(150μl min)で検知可能で、一つの無線タグに対して最大15mまでセンサリボンを連結でき、測定箇所を増やしたり、検知範囲を延ばすことも可能だ。これにより、トラブル発生や被害が拡大する前での柔軟な検知や対応が可能となり、省力化につながる。
従来、センサや積層表示灯などのデバイスを使ったIoTシステム構築では、まずセンサ、IoTデバイスとIoTゲートウェイとの接続プログラムを作成する必要があり、それにより初めて可視化を行うソフト等が動作することになる。クラウドを利用する場合は、それに加えてクラウドとの接続プログラムも必要となるが、同パッケージではセンサやIoTゲートウェイ、積層表示灯との接続の設定が出荷時になされており、煩雑なコマンド入力等は不要だ。
さらに、ブラウザベースのエディターでノード(各センサ)を結びつけて簡単にフロー作成、及び実行環境をデプロイできるNode-REDをIoTゲートウェイに搭載。簡易的な漏水検知システム基礎プログラムもNode-RED上にプリセットしており、購入後すぐに簡易的な漏水検知システムとして利用できる。さらに通知先の設定や検知したデータをクラウドで活用するなどのカスタマイズも可能だ。
加えて、冷却ファンの排除や内蔵ストレージにフラッシュメモリを採用することにより、可動部品のない堅牢性の高いファンレス構造で堅牢なIoTゲートウェイをセットしている。IoTゲートウェイには、ハードウェアの故障時に交換品を先出しにて発送する先出しセンドバックや、最新ファームウェアの提供サービス、リモート管理機能「AirManage2」の1年間利用権利が付属している。
新ラインナップにより、目視が主流であった水漏れ検知を、後付け設置でメール、光、音、音声でのお知らせが可能となり、一般的な水漏れだけでなく、工場や水害時での浸水確認など、幅広い用途での利用が更に進むことが期待される。
なお、同パッケージの価格は、市場想定価格として108,000円(税抜)~となっている。
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