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IoTを安価・手軽に実現するIDEC のIoTゲートウェイ機能搭載PLC 「FC6A形」

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本記事は、IDEC株式会社の協力のもと制作しております。

IDEC株式会社は、スイッチやセンサを製造・販売する企業である一方、機械や設備を制御するPLCやプログラマブル表示器などを主軸とするオートメーション事業も展開しており、簡単に低コストでIoTを実現できる「IoTゲートウェイ機能搭載PLC FC6A形」(以下、「FC6A形」)を強みとしている。

そこで本稿では、「FC6A形」の概要やPLCとゲートウェイを一体型にした背景、活用事例などを、IDEC株式会社 製品戦略本部 オートメーション事業戦略部 IoT推進担当 上田氏にお話を伺った。(聞き手: IoTNEWS代表 小泉耕二)

IoTゲートウェイ機能搭載PLCが生まれたワケ

上田氏に、「ゲートウェイの機能が一体となったPLC製品を開発しようと思ったきっかけ」について伺うと、もともと、設備や装置を制御するための小型PLCを販売しており、そのような設備・装置が「工場の外」で使用されることが多かったと言う。

「広大な敷地で多くの設備や装置を運用している場合、その設備・装置をメンテナンスする作業が必要となり、定期的にトラブルが起きていないかを移動しながら確認する必要がありました。そこで、遠隔監視が行えるよう、当初はPLCにWebサーバの機能を搭載しました。しかし、Webサーバでは各設備に対して一つずつ個別にアクセスし、状況を確認する必要があったため、複数の設備を一括管理できるクラウドが普及し出したタイミングで、ゲートウェイと一体型のPLCを開発しました。」(上田氏)

IDECのIoTゲートウェイ機能搭載PLC、顧客現場のIoTを安全・簡単に
左:Webサーバ機能による遠隔監視により、各設備に対して一つずつ個別に監視 右:ゲートウェイと一体型のPLCにより、複数の設備を一括監視

IDECの「FC6A形」は、設備の遠隔監視を必要とするようなアプリケーションをターゲットにしているため、ゲートウェイ以外の機能もそうした活用シーンに合わせて作られており、遠隔監視をしたり、データを集めたりしたい、といったニーズに応えるために、高性能なPLCよりも低コストであり、プログラミングなどの工数をなるべく減らして簡単に導入できるPLCを提供している。

上田氏は、「PoC(概念実証)などでコストを抑えながらIoTを導入する場合、ゲートウェイとしてシングルボードコンピュータや、PCを活用するケースがありますが、長期的に安定して稼働させるのは不安というお客様も居られます。そのような課題への解決策として、PLCとゲートウェイが一体になった弊社の製品を採用していただいています。」と、低コストかつ必要な機能や性能を担保した製品開発により、ニーズに応えている、と述べた。

ゲートウェイ一体型「FC6A形」とは

通常、PLCで制御を行っている機械や設備からデータを取得してIoTシステムを実現するためには、ゲートウェイと呼ばれる機器が必要となる。

一般的なIoTシステムの構成は、設備や装置に取り付けられたセンサのデータをPLCが取得し、そのデータをゲートウェイで各プロトコル(データをやり取りするための規格)に変換することで、オンプレミスサーバやクラウドにデータを送っている。

しかし、ゲートウェイを用意すると、そのためのコストがかかる上、ゲートウェイのプログラム作成は、PLCのプログラム作成とは異なるため、専門の知識を持ったエンジニアが必要となる。

ゲートウエイ機能搭載PLCとは、IoTを安価・手軽に実現するIDEC のPLC 「FC6A形」
一般的なIoTのシステム構成図。PLCとゲートウェイそれぞれプログラムを作成する必要があり、それぞれ活用する知識が異なる。

IDECのIoTゲートウェイ機能搭載のPLC である「FC6A形」はこうした課題を解決する。

IoTを安価・手軽に実現するIDEC のIoTゲートウェイ機能搭載PLC 「FC6A形」
上:一般的なIoTシステム構成例 下:「FC6A形」のシステム構成例 ゲートウェイの機能がPLCの中に統合されている。(※LTE通信を使用する場合、別途LTEルーター等の設備が必要)

「FC6A形」はIoTに適した通信プロトコル「MQTT」によって、クラウドとの通信を行うことができる。また、産業用機器で使用されることが多い、Modbus TCP/RTU、EtherNet/IP、MCプロトコルなどにも対応している。加えて、先述のWebサーバ(HTTP)やFTP、SMTP(Eメール)にも対応している。

これにより、ゲートウェイを追加で用意することなく、クラウドと接続できるほか、PLCからのメール送信といった機能も「FC6A形」から直接実行することができる。

IoTを安価・手軽に実現するIDEC のIoTゲートウェイ機能搭載PLC 「FC6A形」
様々な通信規格に対応しているため、「FC6A形」が直接クラウドや機器などと接続したり、データを送信したりすることが可能。

また、MQTT接続に関する多くの設定は、ダイアログボックスで完結するため、少量のラダープログラムを作成するだけで接続することが可能となっており、IT・OT両方に精通した人材を必要としない。

ゲートウエイ機能搭載PLCとは、IoTを安価・手軽に実現するIDEC のPLC 「FC6A形」
センサやEtherNet/IPなどのデータを「FC6A形」が取得し、クラウドに送信して可視化するまでのイメージ。

さらに、「FC6A形」は、Amazon Web Service(以下、AWS)のデバイス認定プログラムの認定を受けており、AWS IoT Coreと簡単に接続することができる。(AWSだけでなく、Microsoft AzureのIoT Hubとも簡単に接続可能)

通常、AWSを活用しているユーザがゲートウェイなどと接続する場合、接続確認を行う必要があるが、「FC6A形」はAWSの認証を取得済みであるため、安心して使用する事が可能となっている。

「FC6A形」を活用した事例

次に、「FC6A形」が具体的にどう活用されているのか、事例を交えて紹介する。

以下の2つの事例では、「FC6A形」のWebサーバ機能を活用し、遠隔監視を実現している。

各地の設備を一括管理し、修理対応にも貢献

1つ目は、株式会社エコステージの事例だ。

エコステージは、太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギーなどの、様々なエネルギー分野の製品を提供している。

バイオマス発電ではスターリングエンジンを制御する必要があるが、制御するためには、デジタル入出力とアナログ入出力に加え、PIDやPMWなどの制御機能を持ち、Modbusといった汎用的な通信プロトコルに対応したPLCが必要だ。

また、スターリングエンジンを複数台制御する必要があるため、統合するマスターコントローラも必要であった。

そこで、「FC6A形」を活用することで、上記全ての制御と通信を1台で実行することができ、マスターコントローラも「FC6A形」が担うことができるため、シンプルな機器構成でエンジンと発熱の制御を行えるようになった。

IoTを安価・手軽に実現するIDEC のIoTゲートウェイ機能搭載PLC 「FC6A形」
各スターリングエンジンを「FC6A形」で制御し、そのマスターコントローラも「FC6A形」が担っている。

また、PLC単体で遠隔監視が行うこともでき、遠方に設置されたシステムの運用・保守・メンテナンスのためのコストを抑えることができた。

IoTを安価・手軽に実現するIDEC のIoTゲートウェイ機能搭載PLC 「FC6A形」
スターリングエンジンの遠隔監視画面イメージ

「FC6A形」を活用して遠隔監視サービスを開発

2つ目は、株式会社測商新潟の事例だ。

測商新潟は、建築現場での環境計測や土木計測を行うための機器の販売や設置、メンテナンスを行っている。

測商新潟の計測器を導入した建築現場では、計測器のデータを確認するためにその都度現場まで足を運ぶ必要があった。さらに、建築現場は過酷な環境での作業のため、熱中症などの気象の変化による事故を回避したいというニーズがあった。

そこで測商新潟は、「FC6A形」に気象観測装置や雨量計、温度計などのセンサ類を接続して可視化することで、現場の状況を遠隔地からでも確認できるサービスを開発した。

IoTを安価・手軽に実現するIDEC のIoTゲートウェイ機能搭載PLC 「FC6A形」
「FC6A形」を活用して開発された測商新潟の現場モニターシステムの概要図

また、このサービスでは、「FC6A形」の特徴である、画面構成を容易に変更できるWebページ作成ソフトを活用して、工事現場ごとに変わるセンサの構成や必要な画面構成に対しても、簡単に対応することができるのだという。

さらに、遠隔監視だけでなく、センサから収集されたデータは「FC6A形」内部で処理され、計測、記録、Web公開、メール送信、FTP通信など複数の役割を担い、コスト及びスペースの削減にも貢献した。

導入障壁を下げるサポート体制

IDECは、チュートリアル動画やセミナーのオンデマンド配信をするなど、サポート体制も充実させている。

サポート体制の範囲はラダープログラミングからWebページの作成方法まで、「FC6A形」をはじめとするIDEC製のPLCを活用するための知識が一通り配信されている。

ゲートウエイ機能搭載PLCとは、IoTを安価・手軽に実現するIDEC のPLC 「FC6A形」
左:プログラミングセミナーのHP 右:ラダープログラミングのセミナー動画

上田氏は、「ユーザからの問い合わせ業務を担当するテクニカルサポートメンバーがコンテンツを作成しおり、基礎的な内容から問合せを受けることが多い実践的な内容まで、体系立てた動画コンテンツを配信しています。動画コンテンツでは、利用者が実際に利用する画面を出しながら順番に説明しており、『簡単に導入できる』という強みを強化しています。」と、導入の障壁を下げる工夫をしている、と述べた。

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