インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(以下、IVI)は、デジタルにより「つながる」ものづくりを「ゆるやかな標準」というコンセプトをもとに実現することを目指している一般社団法人だ。
2024年1月時点で、IHI、オムロン、神戸製鋼所、今野製作所、CKD、東芝、日本電気、パナソニック、日立製作所、ブラザー工業、武州工業、富士通、ベッコフオートメーション、マツダ、三菱電機、安川電機など、国内外で203社・団体、637名が参加している。
そして本日IVIは、IVI未来プロジェクト2030ホワイトペーパー「未来プロジェクトからの提言」を、2024年2月1日に発行したことを発表した。
このホワイトペーパーは、2023年度の活動として開始した未来プロジェクト2030の成果である。
未来プロジェクトとは、IVI会員企業の中堅・若手メンバーであることを前提条件として、日本のものづくりの強みを活かすなどのポイントを踏まえて、未来シナリオを考えるプロジェクトだ。
今回6年ぶりに再結成されたチームによって、「未来の製造業」及び「未来の工場」についてホワイトペーパーにて提言している。
チームメンバーは外部環境分析などを行い、2030年時点の社会課題を解決するための新たなものづくりの方向性を未来的思考で予測し、シナリオを作成した。
その結果、「もの・人・場所」を製造業における不可欠な要素と定義し、これらの要素を加えて社会課題を解決する未来工場のコンセプトを考えた。
具体的には、移動するエネルギ生成工場を「Infinite Energy」とし、ゲームに浪費されている活動を生産活動に転換する工場を「eG-Working」と定義している。(トップ画ロゴ)
「Infinite Energy」では、「エネルギを生成することが地球環境を改善していく」ことをコンセプトに掲げ、工場が移動しながらエネルギを生成する。そのため、エネルギ源の回収とエネルギの供給が同時に行えることから、より効率的な運用が可能となるというものだ。
一方eG-Workingは、「ゲームに浪費されている活動を生産活動に転換する」をコンセプトとして、設備のオペレーションや判断を、工員ではなく離れた場所にいるゲームプレイヤーに担ってもらうというものだ。
具体的には、ゲームプレイヤーが特定のゲームをダウンロード・プレイすることで、「eG-Working」がプレイした結果とプロセスを収集する。収集したデータはAIを用いて設備稼働オペレーションや画像検査判定に変換し、結果として省人化工場をゲームプレイヤーの力で稼働させることができるという構想が描かれている。
2024年度はホワイトペーパーを参考に、ステークホルダ調査、具体的ロードマップの作成、実証実験(POC)を実行する予定だ。
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