製造業界の脱炭素化は、日本政府が掲げている2050年カーボンニュートラルの実現において重要課題になっている。日本国内におけるCO2排出量は産業部門が最も多く、国内総排出量のうち約35%を占めている。また、産業部門の総排出量の約94%は製造業由来であるため、製造業界はこれらの削減をすることが求められている。
製造業においては、サプライチェーンから購入した原材料、部品、容器、包装などが製造される過程で排出されたCO2排出量(Scope3・カテゴリ1)が大半を占めるといわれている。またScope3・カテゴリ1の見える化にはサプライヤーの1次データ収集が必要である。グローバルに展開するサプライチェーンからそれらのデータを収集するためには、表計算ソフトでの属人的な管理方法は困難だと言われている。
アスエネ株式会社は、同社が運営するCO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスエネ」に、製造業界のCO2排出量算出業務を容易にサポートするソリューション「Asuene Manufacturing」を実装することを発表した。
アスエネは、複雑だったCO2排出量算出業務を容易にサポートする、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスである。温室効果ガス・CO2排出量の算出・可視化、削減・カーボンオフセット、Scope1-3(※1)のサプライチェーン排出量の報告・情報開示を支援する。
今回提供を開始するAsuene Manufacturingは、製造現場のCO2排出量を自動算定することができ、サプライチェーンアンケート機能を使い、製造プロセスごとにCO2排出量を見える化する。また、削減、開示のためのコンサルティングも行う。
さらに、各種システム連携による一次データを効率的に収集する。そのほかにも、CFP機能のBOM(※2)連携やCatena-Xをはじめとする各種原単位データの拡充による算定精緻化や、欧州電池規則などの国際スタンダードに準じた報告業務も支援する。
※1 Scope1-3:以下のとおり、事業者によるCO2排出量の算定・報告対象範囲を区分。
Scope1:自社の事業活動において直接排出したCO2排出量
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用により発生する間接的なCO2排出量
Scope3:上記以外の事業活動に関わる上流・下流のサプライチェーンのCO2排出量
※2 BOM(Bill Of Materials):部品表や部品構成表を示す。
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