ブラザー工業株式会社は、同社が展開するマシニングセンタ「「SPEEDIO」 の従来モデルから、加工領域を拡大した 「コンパクトマシニングセンタ SPEEDIO S300Xd2/S500Xd2/S700Xd2(Sシリーズ)」(トップ画左)と、5軸加工機 「ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ SPEEDIO U500Xd2(Uシリーズ)」(トップ画右)を、2024年8月26日より販売を開始した。
Sシリーズは、テーブル移動による前後、左右、工具が垂直に移動する上下動が可能なマシニングセンタだ。主軸のバリエーションに加え、工具搭載本数を、14本、21本、28本搭載可能なモデルがある。
今回発売された新モデルは機能強化を図っており、従来モデルに比べて加工領域が広がり、主軸の剛性を高めたほか、CNCの機能強化や、「暖機運転」せずに安定した加工が可能になる暖機レス加工支援機能などが追加された。
また、加工エリアの奥行き(Y軸移動量)、高さ(Z軸移動量)とテーブルサイズが大きくなり、加工領域が拡大した。これにより、加工物の大型化、形状の複雑化へ対応したほか、搭載可能な治具が増えることなどにより、工程集約への対応能力が向上したのだという。
さらに、主軸が強化しされ、剛性が向上。これにより、鉄の重切削加工をはじめ、ステンレスやチタン合金などの部品加工で威力を発揮するとのことだ。一方Uシリーズは、コンパクトな本体に大型の傾斜ロータリーテーブルを搭載することで、多面加工を可能にしたモデルだ。
Sシリーズなどの3軸に加え、テーブルが回転、傾斜する2軸を利用して、多面を割出して加工することが可能だ。また、これらの軸を同時に動かすことで、滑らかな曲線形状が要求される部品などを加工できる同時5軸制御が可能なモデルもラインアップしている。
今回発売された「U500Xd2」は、従来モデルと比較して加工エリアが拡大し、EV関連の部品などの大型部品に対応することができる。
また、Y軸およびZ軸移動量拡大により加工可能領域が拡大し、大型ワークの多面加工や、搭載可能な治具が増えることなどにより、工程集約への対応能力が向上した。
両シリーズの新モデルの共通項目としては、もともと消費電力が少ないSPEEDIOに、環境負荷の低減を実現する新しい機能が追加された点だ。切粉排出量に合わせて適正なチップシャワー運転を行うチップシャワー省エネ運転や、暖機レス加工支援機能などの新機能が搭載された。
これにより、従来モデルと比較して、約30%の大幅な消費電力の削減を実現。また、エアに関わる機能を最適化し、工作機械使用時のエネルギーの無駄も削減しているとのことだ。
また、治具搭載領域は、直径500mm、高さ320mmで、従来モデルから50mm治具搭載領域が拡大している。
なお、これらの新モデルは、2024年11月開催の「JIMTOF2024」に出展する予定だ。
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