SCSK株式会社は、調達購買業務の効率化を支援するWeb-EDIサービス「スマクラBDX 調達購買 Web」の提供を開始すると発表した。
製造業の課題
経済産業省が所管するDADCの「企業間取引将来ビジョン検討会」の最終報告書では、国内における企業間取引に必要なプロセスが依然として人に依存した紙ベースで行われ、国内企業の生産性向上を阻害していると指摘されている。
特に製造業界では、調達購買部門における働き手の高齢化や人員不足、属人化の課題を解決するため、取引業務の電子化ニーズが増加している。
一方で、先行してEDIシステムを自社構築した企業では、老朽化に伴うシステム更改やコスト負担などが課題となり、更改に向けた検討が進まない状況にあるのだという。
EDIとは?
EDIは、Electronic Data Interchangeの略で、「電子データ交換」と訳される。つまり、企業間で商取引に必要な情報を標準化された電子フォーマットでやり取りする仕組みだ。
EDIを利用することで、注文書や請求書などの商取引データを自動的に送受信することができる。
取引データは、国内外の規格に基づいた形式で交換され、専用回線やインターネットを介してデータが送信される。近年では、クラウド型EDIも普及している。
これにより、システム間で直接データをやり取りすることができるため、手作業による入力ミスが減少するほか、紙や郵送費用不要によるコスト削減や履歴管理といったメリットがある。
「スマクラBDX 調達購買 Web」の概要
「スマクラBDX 調達購買 Web」は、製造業の標準EDIに準拠しており、標準機能に業務プロセスを最適化する「Fit to Standard」型のサービスだ。調達購買業務を電子化し、サプライヤーとのコミュニケーション強化などに寄与する。
具体的には、ECALGAに準拠したEDIメッセージを製造業のEDIに必要な「業務テンプレート」として用意し、Fit To Standardにて導入することで、リリースまでの期間を短縮するというものだ。
また、ローコード開発ツールによるサービス基盤のため、画面レイアウトの変更、画面への表示項目や名称の変更、多言語対応などの設定変更を容易に行うことができる。
さらに「スマクラBDX 調達購買 Web」は、プライヤーポータル機能・電子契約機能・ECM情報連携機能・災害対策機能・電子帳簿保存法対応機能など、業界を問わず企業間取引に共通で必要な機能群を提供する。
加えて、製造業固有のEDIメッセージに対応する機能を追加したサービスだ。
利用者は、自社の課題に合わせて複数機能の中から必要な機能を選択し、システム上で設定することで導入することができる。また、年に数回の機能拡充・法制度への対応など、バージョンアップを自動で行う。
発注企業側のメリットとしては、取引データが連携されることで基幹システムへ伝票を手動で登録する手間を省くことができる。
サプライヤーのメリットとしては、発注予定情報などをタイムリーに把握できるため、適切な在庫管理や生産管理を行うことができる。また、検収・請求もデータで連携されるため、仕入計上・会計業務の精度向上や業務効率化を図ることが可能だ。
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