旭化成株式会社は、材料の新規用途探索や製造現場の技術伝承において、生成AIの活用を開始したと発表した。
新規用途探索とは、既存の材料や新しく開発した材料について、新たな用途を見つけることだ。従来は、専門性を持つ従業員の調査や分析によって用途の候補を考案し、その中から有望なものに絞り込みを行っていた。
そこで今回、専門人材と各事業領域が連携し、用途を自動抽出するAIと、その中から特に有望な用途候補を抽出する生成AIを開発した。
これにより、すでに膨大な文献データから6,000以上の用途候補を考案したほか、ある材料では、候補の選別にかかる時間を従来の約40%に短縮することができた。
今後、材料化学や医療分野の新規用途探索で活用を進めていき、将来的には生成AIにより他社製品の技術分析を行うことで、協業先選定に活用することも視野に入れているとのことだ。
一方、製造現場の技術伝承においては、個人の経験をもとに事故や災害といったリスクを予知していたところを、過去事例のデータを読み込ませた生成AIを活用することで、リスクと対応策を洗い出した。これにより、経験の浅い従業員でも抜け漏れなくリスクと対応策を洗い出すことができるようになった。
今後は、作業前の危険予知に加え、画像・音声など工場の各センサから取得した非構造化データを解析し、作業中の危険回避にも役立てていく予定だ。
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