5月10日~12日まで東京ビッグサイトにてJAPAN IT WEEK春が開催され、IoT/M2M展や、ビッグデータ活用展やクラウドコンピューティング展といった展示会が同時開催された。
一昨年と比較して、今回のIoT/M2M展について、「本格的なIoTが始まった」という印象を受けた。というのも、昨年までの展示ではゲートウェイ製品の展示が多く、技術的にインターネットに接続することをメインとした展示が多かったが、今回の展示では、
「インターネットにはつなげられる、それでどうなる」という展示や「今までインターネットにつなげづらかった機器を具体的にどうつなげるか」といったかなり具体的な実現性を表現することができるような展示にあふれていた。
これは、日本のIoTを活用したビジネスやソリューションの市場において、技術分野での本格化が進んでいるということを示すだろう。
ハノーバ―メッセのレポートに引き続き、製造業関連のレポートを中心に、通信や、AIなど多くの分野の企業をレポートしていく。
製造業における、生産装置からのデータ収集するレイヤー
製造業において、「生産装置からデータを吸い上げて、その情報をクラウドにあげる」という話題がよく出るが、具体的に装置類からデータを吸い上げるということは簡単ではない。
生産装置自体がネットワークに接続することができるようになっていて、データを直接クラウドにアップすることができる場合もあるし、PLCを通してコントロールされている機器のデータは、PLC経由でデータを吸い上げる必要があるかもしれない。
そこで、CONTECや安川情報システムでは、様々なPLCや産業機械のデータを吸い上げる機器を提供している。
CONTECのM2Mコントローラ
CONTECでは、FUNACのPLCと接続可能なオリジナルデバイスと、三菱電機やオムロン、キーエンスなどのPLCとの接続を実現するためのM2Mコントローラを展示していた。
このコントローラは、各種PLCから取得したデータをOPC-UAを経由して上位レイヤーにデータを上げるのだ。
安川情報システムのIoTゲートウェイ
安川情報システムでも同様の考え方で、様々なデバイスやPLCのデータを取得するコントローラを展示していた。
こちらのゲートウェイは、デバイスから直接接続する事もできるという。
このように、既存の産業機械の状態を取得する取り組みは、どんどん進んできている状況だ。
工場全体のスマートファクトリー化
工場全体をスマートファクトリー化を進める際、様々な企業からそのソリューションが提供されている。
安川情報システムのMMSmartFactory
安川情報システムの場合、生産計画から、製造実行管理、可視化や分析といった、製造全体をサポートする情報システムがMMSmartFactoryのコンセプトだ。
例えば、スケジューラの例で言うと、SAPのような ERPシステムから受けた製造指示に基づいて、同社のスケジューラである「ASPROVA」が生産スケジュールを立てる。そして、MESに情報を提供する事で産業機械への作業指示を実現するということだ。
すでに、日本では1,806、海外563サイトでの導入があるということだ。
そして、実際の工場の状態を前述したゲートウェイから取得し、「MMCloud」と呼ばれるクラウドサービスに蓄積し、分析などを行うということだ。
工場の「見える化」だけでなく、「つながり」「止まらない」ことを実現してくソリューションとなっていくのだという。
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