進行する高齢化社会において、介護人材の不足や負担増加、それに伴う介護現場でのリスク増加等、社会課題の深刻化が見込まれている。
それに対し、様々な介護事業者様向けのシステムやソリューションの開発が行われており、かつIoTを活用したサービス品質の向上と効率化が政府の政策課題にもなっているが、未だに普及フェーズには至っていない。特に、多くの業務に追われる介護現場では、新しいシステムの習得に十分な時間がとれない、また経済的効果が数値化されにくい点が普及の大きな障壁となっている。
株式会社マクニカとイスラエルの医療用ベッドセンサーメーカーであるEarlySense, Ltd.(以下、アーリーセンス)は、介護用見守りシステムを共同開発し、高齢化社会における介護事業者の負担軽減に向けたソリューションの提供を開始する。また、同開発にあたり、株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティ(以下、ユニマットRC)が全国で運営する介護施設にて共同で実証実験を実施した。
同ソリューションは、以下の3つの要素から構成されている。
- センサー部
- クラウド部:
- ユーザーインタフェース部
ベッド上の利用者の心拍、呼吸、体動を検知
センサーが取得したバイタルデータを処理して離床の早期予測、呼吸、心拍の突発的な異常等を予測
上記における異常と対処方法を介護士に通知し、対処内容をワンクリックで記録
これらの要素のうち、アーリーセンスが開発した非接触モニタリングセンサー「NooMi」がセンサー部とクラウド部を、マクニカが開発をしたクラウドベースの介護事業者向け見守りセンサーを統合するプラットフォーム「AttentiveConnect」がユーザーインタフェース部を実現する。
センサー部とクラウド部のバイタルデータの処理アルゴリズムは、アーリーセンスが過去10年以上に渡って医療機関向けに提供してきたものをベースとしている。その上で、バイタルデータをセンサー内部ではなくクラウド上で処理することにより、導入時に発生するハードウェアコストを削減する。
センサーの設置も、電源をACコンセントに差し込みセンサーをマットレスの下に設置するだけで完了する。Wi-Fiを通じてそのまま自動的にインターネット上のクラウドに接続されるため、現場職員の方のみで容易に対応することができる。
ユーザーインタフェースとセンサー及びユーザ管理のバックエンドにはクラウド技術を全面的に採用しており、操作はWebブラウザが動作する全ての機器で行え、より柔軟な見守りの仕組みを実現した。
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