昨今、夏場は猛暑が続くほか、新型コロナウイルス感染対策としてのマスク着用などが熱中症の発生リスクを高めている。また夏場以外でも、工場や室内など屋内でも暑さによる体調不良の危険性があり、暑さ対策は重要になっている。
NTTテクノクロス株式会社、東レ株式会社、株式会社ゴールドウインは、機能性素材「hitoe」を活用し、暑熱環境下で作業や運動をする人の安心安全をめざす「暑さ対策プロジェクト」に取り組んでいる。昨年7月にはシャツ型センサーとスマートフォンの専用アプリケーションで、着用者の心拍数などと共に衣服内の温度と湿度を計測し、体調不良の予兆を検知する「hitoe暑さ対策サービス for Cloud」を発表した。
「hitoe暑さ対策サービス for Cloud」とは、NTTテクノクロスが提供する小型センサー「TX02(ティーエックス ゼロツー)」と専用アプリケーション、東レ・ゴールドウインが提供する「hiote」を活用した専用ウエアをセットで利用する(上の画像)。「TX02」と専用ウエアを組み合わせたシャツ型センサーから暑さに関わるデータを収集し、着用者の体調不良の予兆を検知する。そして、スマートフォンの専用アプリケーションでシャツ型センサーの着用者に休憩を促し、体調不良のリスクに備えさせることが可能である。
そして今回、NTTデバイスイノベーションセンタ(以下、NTT研究所)などの新技術により、新たに着用者の体内温度変動を推定できる機能と遠隔からモニターで確認できる機能の二つを追加し、さらに高度な暑さ対策を可能にした。その新サービスを2021年7月に販売開始する。

今回の新サービスでは次の二つの機能が追加された。
一つ目は、NTT研究所などの独自技術である、心拍数や衣服内温度・湿度から体内温度変動を推定するロジックを、専用アプリケーションに搭載しており、シャツ型センサー着用者の体内温度変動を、個人の周辺環境や衣服、活動状態を考慮しながら推定することである。これにより、運動や作業による体内温度の上昇を、活動を中断することなくシャツ型センサーを着用するのみで検知できる。また、専用アプリケーションから休憩目安などがアラートされることで、早い段階で体調不良のリスクに備えることができる。
二つ目は、シャツ型センサー着用者の体内温度変動や休憩目安時間などを遠隔のモニターから一目で分かるように可視化したことだ。データはクラウド上でリアルタイムに管理され、最大約150人まで対応可能だ。これにより管理者は、着用者の状況を遠隔から確認でき、見回りに要する時間の削減や危険が発生した場合の迅速な対応が可能である。
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