昨今の医療業界では、医療現場の患者と医師間のコミュニケーションの円滑化が求められており、医師が患者の容態を確認する際、ITを活用することで、患者と医師間のコミュニケーションの円滑化やエンゲージメントの向上、医療過誤の抑止などが期待されている。
また、ITを活用することで、これまで取得できていなかった患者本位の症状や、容態評価などの情報を蓄積し、活用することができるとされている。
そこで、TISインテックグループのTIS株式会社(以下、TIS)と国立研究開発法人国立がん研究センター東病院の緩和医療科は、ITを活用して、患者の潜在的な症状をデータとして抽出するための共同研究を開始したことを発表した。
今回の共同研究では、診察時に医師が調査票等を利用して収集している症状の有無や程度等の報告書(以下、PRO)に関する情報と合わせて、患者自身が表現しきれない潜在的な症状の訴えを、TISのコミュニケーションロボット「DialogPlay」との対話データから収集できるかの検証が行われる。
また、そのデータをモニタリングすることで、患者の苦痛をスクリーニングし、患者と医師間のコミュニケーション改善の効果を検証する。
上記、PROを抽出するための有効な対話シナリオの検証は、第1フェーズとして2021年11月~2022年月3月の期間行われる。
今回の研究を通じて、患者の潜在的症状の伝達及び対処をしてもらう契機づくりや、患者とのコミュニケーションの効率化・医療過誤の抑止、PROの利活用といったサービスの創出を目指していくという。
第2フェーズ以降では、上記サービスの創出に向けた検証範囲の拡大を計画。PROの利活用においては、TISが提供する「ヘルスケアリファレンスアーキテクチャ」を活用することにより、個人の健康・医療情報の管理に求められる基準のシステム構築を行っていくという。
また、将来的には、がん患者の症状モニタリングや苦痛のスクリーニングのためのPRO収集や、他の疾患への応用を目指すとしている。
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