うつ病などの治療で用いられる認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy 以下、CBT)は、臨床的有用性が認められており、医師又は看護師が実施する場合に保険が適用される。
一方で、CBTを実施する際の医療従事者の時間的負荷が大きく、地域によりCBTを実施できる医療従事者の確保が難しいなどの課題がある。
そうした中、株式会社ジョリーグッドと帝人ファーマ株式会社は、共同開発している、うつ病患者に対するVRを活用したCBTのフィジビリティ試験を、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と共同で開始することを発表した。
この臨床研究は、ジョリーグッドと帝人ファーマが共同開発したうつ病向けデジタル治療VR(CBT-VR、現在は未承認)を活用し、対面で実施されるCBTの一部をVRで代替することによって、CBTの治療効果を有しながら医療従事者の介在時間を短縮することが可能かどうか、そして安全性について評価する。
具体的には、単施設で実施する治療介入の単群、前後比較試験を行う。スクリーニング検査により、適格性を満たしたうつ病患者に対し、原則、週1回の外来にてCBT-VRを16セッション実施する。
ベースライン、8セッション終了時、16セッション終了または治療中止時の検査と、各セッション時の検査および診療に要する時間の計測と、患者質問票によりCBT-VRの実行可能性を評価する。

また、16セッション終了後または介入中止以降の追跡期間である6か月間は、希望する被験者に対してCBT-VRの使用を継続し、3か月および6か月の追跡評価を実施する。
今後ジョリーグッドと帝人ファーマは、本臨床試験の結果を受けて、2025年以降にはうつ病向けデジタル治療VR(CBT-VR)の最終的な有効性や安全性を確認する治験を開始し、薬事承認を目指す予定です。
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