昨今、医療業界では、感染対策による業務負荷向上や緊急医療体制の逼迫が課題となっている。
中でも徳島県では、全国と比較して3次救急病院への救急搬送が集中しており、3次救急病院での受け入れが困難となるケースがあったという。そこで、救急患者のバイタルや映像を搬送先病院と連携することで、3次救急病院への搬送集中の緩和および将来的な救命率の向上が求められている。
そうした中、株式会社アルム、株式会社NTTデータ経営研究所、NECネッツエスアイ株式会社、ケーブルテレビ徳島株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、フクダ電子四国販売株式会社、徳島県、徳島大学病院、徳島県立中央病院、徳島赤十字病院、徳島県立海部病院は、総務省「令和4年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において、コンソーシアムを設立し、院内ICU等の遠隔モニタリングおよび救急医療連携の高度化の実証実験を2023年1月~2月の間実施する。
今回発表された実証実験では、ローカル5Gや4Kカメラを使用し、ICUやコロナ病棟を模した環境での遠隔モニタリングの実証に加え、救急搬送時の救急車内から搬送先病院および2次救急病院と3次救急病院間における医療情報連携の高度化の実証を行う。
ローカル5Gを活用した入院患者の遠隔モニタリングでは、ICUとナースステーションの間で、4Kカメラ映像やベッドサイドモニタのデータをローカル5Gにより無線伝送し、ICUの遠隔モニタリングとローカル5Gの電波干渉対策を検証する。

4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる救急搬送中の患者情報連携では、救急車と搬送先病院間のキャリア5Gおよびローカル5Gによる無線接続を行い、搬送中患者の4Kカメラ映像を用いた医療高度化を検証する。

4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる2次救急病院と3次救急病院間の患者情報連携では、2次救急病院と3次救急病院間をローカル5Gにより無線接続し、患者の4Kカメラ映像やバイタルデータの伝送による医療高度化を検証する。

これらにより、一般的に近接する建物において懸念される電波干渉への対策と、ICTの利活用による医療の質向上の両立が期待されている。
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