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NIIと日本眼科学会、新たなバイオマーカー開発基盤へ向け眼底画像から生体年齢を推定するAIを一般公開

公益財団法人 日本眼科学会と大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下、NII)は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援により構築された、学会主導データベース「Japan Ocular Imaging Registry: JOIR」で収集された画像データを用いて、眼底画像から個人の年齢を推定するAIを開発し、無償公開を開始した。

この成果を研究者が活用し、疾患対照研究や疫学研究などを行うことで、眼の病気のなりやすさに関係する新たなバイオマーカーの開発につながると期待されている。

今回研究開発されたモデルは、年齢と性別のラベルが付与された18〜84歳の健常者の眼底写真8,149枚を学習データとし、年齢を正解として深層学習を行った。

その結果、検証データの眼底画像から推定した年齢と正解ラベルの生体年齢との誤差の平均は2.39歳であり、作成された「眼底年齢推定モデル」が実年齢とある程度の相関があると評価された。

NIIと日本眼科学会、新たなバイオマーカ開発基盤へ向け眼底画像から生体年齢を推定するAIを一般公開
左:訓練用データの年齢分布 右:テストデータにおける実年齢と予測年齢の関係

そこで両者は、そのモデルを医学や情報学の研究者が広く利用できるように無償提供を開始した。

眼底画像から得られる情報を用いて、心血管病や認知症などのリスクを推定できることが、AIを用いない従来の古典的な疫学研究で明らかになっている。

眼底画像から推定された年齢にどのような医学的価値があるかは現時点では不明だが、今回の成果を研究者が活用し、疾患対照研究や疫学研究などを行うことで、病気のなりやすさに関係する新たなバイオマーカーになる可能性があると考えられている。

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