宮城県では、メタボリックシンドローム(以下、メタボ)該当者・予備群の割合が全国ワースト3位以内の状況が13年間続いており、実効性の高い生活習慣病の対策が求められている。
日本電気株式会社(以下、NEC)と、宮城県から「みやぎのデータヘルス推進事業」データ集計・分析業務の委託を受けた仙台白百合女子大学は、宮城県の国民健康保険加入者の特定健康診査のデータを活用し、メタボと関連性の強い生活習慣を、AI自動化プラットフォーム「dotData」を用いて分析した。
同分析は、宮城県の市町村国民健康保険加入者のうち、平成26年度から令和元年度の6年間に連続で特定健康診査を受診し、かつメタボの判定が可能な県民約43,000人を対象とし、健診の結果および健診時の喫煙や食事、運動習慣、睡眠などに関わる11項目の質問への回答を基に行った。
その結果、例えばメタボ発症と関連のある生活習慣は、男性では「夕食後の間食がある」「食べる速度が速い」「喫煙」「身体活動が少ない」、同様に女性では「歩行速度が遅い」「食べる速度が速い」「喫煙」「朝食欠食」などの結果が得られた。
こうした分析を人手で行う場合には通常2~3か月の時間を要するが、今回AI・dotDataを活用することにより約1~2週間で分析を行うことができた。同時に行われた仙台白百合女子大学の公衆衛生学研究室での分析と合致した結果が得られたことから、健康・保健領域でのAIによる分析の有用性が示唆された。
また、AIによる分析では、人手による分析では想定していなかった関連要因が見いだされる可能性や多種多量なデータを短期間で分析することができる。専門家の知見を基にした分析にAI技術を活用することで新たな医学的な考察結果を効率的に導き出されることも期待できる。
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