薬剤師は、調剤や器具の操作技能に加え、患者への問診、視診、聴診、打診、触診などによるフィジカルアセスメントや服薬指導、医師への処方箋内容の確認など、様々な場面で臨機応変にコミュニケーションすることが要求される。
しかし、薬剤師や薬学生の育成現場では、患者に協力してもらうことは容易ではなく、学習の機会や時間も限られている。
こうした中、富士フイルムシステムサービス株式会社とイマクリエイト株式会社は、仮想空間でのChatGPT活用に関する共同研究を開始し、富士フイルムシステムサービスが提供する「薬学事前学習VRトレーニングサービス」の新機能の開発を目指すことを発表した。
「薬学事前学習VRトレーニングサービス」は、2023年7月より提供が開始された、薬剤師が現場で求められる技能を、仮想空間において実践形式で学習できるサービスだ。
今回の共同研究では、VR技術とChatGPTの組み合わせることで、仮想空間における薬剤師と患者・医師とのコミュニケーションを再現し、実践形式で学習できるコンテンツを開発していく。
具体的には、仮想空間内の相手と現実で話しているかのような会話ができ、相手の返答は、学習者が話した内容を受けてChatGPTから出力されるというものだ。
話した内容によっては、分かりにくい表現や言い回しで回答が出力されるケースや、相手に伝わらないケースも含めて、現実の患者や医師と話しているかのようなリアルなコミュニケーションを体験できる機能を目指すとしている。
今後、開発した学習コンテンツを、「薬学事前学習VRトレーニングサービス」の新機能として、2023年10月に搭載する予定だ。
そして、新機能を搭載した「薬学事前学習VRトレーニングサービス」を、医学部など各種医療系の教育現場や、卒後研修などの学び直し、実際の医療現場や薬局での服薬指導など、様々な職種や現場に展開することを検討していくとしている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。