株式会社CureAppは、高血圧症向け治療アプリを用いたスマート降圧療法を利用した患者の降圧効果について、第45回日本高血圧学会総会学会にて発表した。
今回CureAppは、高血圧症向け治療アプリを使用する最適な対象や使用方法につながる知見を得ることを目的に、治療アプリに入力されたデータを用いて、実臨床の場における降圧効果を検討した。
具体的には、高血圧症向け治療アプリへの入力データを用いた後方視的研究として、「2022年9月から2023年4月の間にアプリを処方された患者」「家庭血圧を少なくとも1回入力した患者」「情報の研究利用を拒否する旨の意思表示を行っていない患者」に対し、高血圧症向け治療アプリ使用開始後、12週間での降圧量を評価した。(ベースラインの週およびアプリ使用開始12週後の週においてそれぞれ5日以上血圧を入力した患者が対象)
また、年齢、アプリ使用開始時点での服薬の有無、塩分チェックシートスコア、BMI(body mass index)での層別解析を実施した。

その結果、アプリ使用開始後12週間での降圧量は、全体集団において起床時収縮期血圧の変化は-8.8mmHgで、就寝前収縮期血圧の変化は-8.5mmHgとなった。(トップ画)
また、治験時は患者集団に含まれていなかった65歳以上の患者も今回の集団では21%を占めており、65歳以上の患者(最高齢87歳)における12週後の起床時収縮期血圧の変化は、-11.8mmHgで、就寝前収縮期血圧の変化は-10.1mmHgという結果だった。

アプリ使用開始時(ベースライン)の平均収縮期血圧は、起床時133.6mmHg、就寝前129.7mmHgであり、治験時の(国内第III相試験HERB-DH1)患者集団で治療アプリを使用した群での値より低い傾向にあったことも確認された。

なお、2023年8月時点で報告対象となる健康被害はなかった。
今回の研究により、治験で検証されていなかった65歳以上の患者を含む患者集団における、高血圧症向け治療アプリの効果が示された。
今後CureAppは、より多くの症例で様々な視点から治療アプリの効果や適切な使用方法を検討するとともに、重要な臨床課題については臨床研究等で検討していく必要があるとしている。
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