一般財団法人日本老人福祉財団は、介護DX推進の一環として、AIを活用した介護予防・将来予測システム「SOIN-R(そわん-エール)」を、2023年8月より京都「ゆうゆうの里」にトライアル導入した。
また、佐倉「ゆうゆうの里」では、今夏より施設ケアセンター全床に見守り機器「見守りライフ」、スマートフォンを活用したライブコミュニケーションプラットフォーム「バディコム」の導入を開始している。
「見守りライフ」は、離床センサやカメラなどを活用した高齢者見守りシステムで、「バディコム」は、スマホを活用したライブコミュニケーションプラットフォームだ。
「SOIN-R」は、株式会社シーディーアイと、日本老人福祉財団が共同で開発した「AIを搭載した自立型施設向け介護予防システム」だ。
財団が運営する「ゆうゆうの里」が、毎年自立した入居者を対象に行っている「日常生活に関する調査」48設問のデータをAIに学習させることにより、入居者の将来の介護予防につながる提案を行うことができるようにしたもので、すでに2022年4月より一部施設において「SOIN-R」の検証を行なってきた。
今回は、その検証結果に基づき、自立した入居者が将来にわたって元気で過ごすための行動変容を実現すると共に、業務の効率化、サービス品質の向上に役立つと判断し、京都「ゆうゆうの里」でのトライアル導入を決定したものだ。
「SOIN-R」を活用した業務の流れは、まず、入居者の状態推移を可視化・共有することで、4段階の意識づけと7カテゴリの状態で把握する。
状態予測は「自立(健常」「プレフレイル」「フレイル」「要介護状態」で、状態把握は「生活機能低下」「運動機能低下」「低栄養状態」「口腔機能低下」「閉じこもり」「認知機能低下」「うつ傾向」となっている。

「日常生活に関する調査」業務にAIシステムを活用した業務の流れ
今回の導入に先立って実施されたシステム検証で、将来予測などの結果を入居者に共有したところ、入居者からは、「SOIN-R」の提案をポジティブに受け止め、自身の生活にいかそうとする反応が多く見られたのだという。
日本老人福祉財団は今後、京都「ゆうゆうの里」で行われるトライアル導入の結果を踏まえ、来年度以降の「ゆうゆうの里」他施設での導入を検討していくとしている。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。