国立循環器病研究センター・Noel・Ridgelinez、認知症検出AI開発へ

国立研究開発法人国立循環器病研究センター（以下、国循）、株式会社Noel、Ridgelinez株式会社は、AIモーションセンシング技術を用いて、認知症高齢者の歩容特徴を検出するアルゴリズムを2024年2月から開発し、社会実装に向けた取り組みを開始する。

この取り組みは、厚生労働省が実施する事業における、「リアルワールドデータを活用した疾患ハイリスク者の早期発見AIシステム開発と予防介入の社会実装検証」のテーマの一部である。

3者は、歩行中の認知症高齢者の特徴を日常生活の中で非侵襲な方法を用いて検知し、早期発見や周囲からの早期の声がけなどを行い、認知症共生社会の実現に貢献することを目指す。

具体的には、2023年度から2027年度までの間に、企画の構想から研究開発成果の社会実装までを行い、2024年から2025年にかけて、認知症の兆候を検知する歩容分析技術の確立と、認知症高齢者を対象とした分析技術の効果検証を行う。

Ridgelinezは、企画構想を行い、国循と共同で認知症高齢者の歩容の特徴を検出するAIモーションセンシング技術を活用したアルゴリズムを新たに開発する。富士通の体操競技採点支援システム「Judging Support System」のベース技術である「Human Motion Analytics」の高精度な姿勢認識AI技術を活用し、歩容動作をセンシングしたデータを利用するほか、社会実装に向けたルールメイキング調査やソリューション企画を実施する。

国循は、Ridgelinezとのアルゴリズム開発における医学面での技術監修を担当する。なお、この取り組みは、認知症高齢者を対象とした観察研究であり、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」等を遵守し、取り組みを通じて得られた成果のアウトリーチとして論文発表を担当する。

Noelは、取り組みで開発したアルゴリズムを社会実装する際のアプリケーションを開発する。このアプリケーションは、日常生活の中で認知症高齢者の兆候を検知するサービスとして設計し、Ridgelinez、国循とともに模擬環境下での社会実装の後、実環境下でのサービス試行を行うとのことだ。