医薬品開発は、試行錯誤の創薬研究や臨床試験に依存し、大量の時間とコストがかかる。その成功率を高めるためには、経時的な臨床情報を計画的に収集し、大量の質の高いデータを解析することが不可欠だ。
また、その実現のためには、患者への説明や同意の取得、問診による臨床データの収集など、医療現場におけるさまざまな人間系の業務を時間や手間をかけず、適切かつ最適な内容で入手することが求められている。
こうした中、日本アイ・ビー・エム株式会社は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンターとの間で、AIを活用したリアルタイム創薬プラットフォーム事業の推進に合意した。
これにより、2024年3月から共同で研究を開始し、まずは生成AIを活用したシステムの構築と社会実装に向けた検証を2025年3月末まで推進する。
この共同研究では、医師や看護師が必要なデータを適切かつ手間をかけずに入手できるよう、生成AIを活用した患者への説明や同意を取得するシステムを構築し、医療者の働き方改革の実現を目指す。
新システムの構築では、IBMのAIおよびデータのプラットフォームであるIBM watsonxでAIの基盤を構築し、その基盤上で医療に活用できる生成AIを開発する。
三者は今後、生成AIを医療現場に導入し、医療者にとって役立つAIサービスを安全に利用できる仕組みづくりの実現を目指すとしている。
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