日本電気株式会社(以下、NEC)と国立大学法人東京医科歯科大学(以下、TMDU)は、AIによりスマートフォンやタブレット端末で撮影した映像や問診データを解析して、慢性腰痛のセルフケアを支援する技術を開発した。
今回開発された技術は、人物がカメラに映る角度をAIが自動的に考慮して骨格を推定する2D/3D骨格推定技術だ。これにより、様々な角度からの映像でも高精度に骨格を推定することが可能になった。
利用者がスマートフォンやタブレット端末のカメラで撮影した自身の映像をもとに、骨格の推定、身体の部位ごとの状態評価、慢性腰痛の原因推定を自動で行い、症状に応じた運動プログラムを提示する。
運動プログラムは動画とともに提供されるため、慢性腰痛を持つ人が自身で、自宅などで動作を確認しながら運動プログラムに取り組むことが可能だ。
なお、映像から背中の形状を推定する際、身体の部位と背中の形状との関係性も加味するため、部位ごとの状態を専門家と同等の精度で評価することができる。
さらに、SAT(充足可能性問題)ソルバを用いたNEC独自の仮説推論技術を開発。これにより、映像や問診データをもとに、慢性腰痛を引き起こす主要な原因を平均10秒以内で推定可能となった。
また、TMDUが有する医学的知見をもとに、身体の部位ごとの状態、問診データ、慢性腰痛の原因の膨大な組み合わせを知識ベース化しており、高い精度で網羅的に慢性腰痛の原因を推定することが可能なのだという。
今後NECとTMDUは、2024年度中にNECカラダケア神楽坂店などにおいて同技術の実証を行い、有効性を検証予定だ。また将来的には、技術の適用範囲を慢性腰痛から首や肩の不調にも拡大していくとしている。
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