日本では、特に食後高血糖が2型糖尿病などの深刻な疾患の前兆となることが指摘されており、厚生労働省の「平成28年 国民健康・栄養調査」によると、食後高血糖が原因で発症する2型糖尿病患者及びその予備軍は、2,000万人を超えるとされている。
また、糖尿病治療に係る医療費は、同じく厚生労働省の「令和2年度 国民医療費の概況」によると、国内で年間約1.2兆円に上ると推計されている。
こうした中、株式会社ザ・ファージと株式会社NTTデータは、血糖値解析を中心とした食品CRO事業の実現可能性を検証するための実証実験を、2023年12月5日から開始した。
この実証実験では、NTTデータのFood&Wellness「500人PoC環境サービス」を活用し、2023年12月5日時点で96名の参加者が集まっている。
この参加者が、ザ・ファージが開発中の血糖値予測AI技術を搭載した食後血糖値の変動解析アプリケーション「glucose flight」を活用。FreeStyleリブレとの連携により、同意を得た利用者からのPoC期間中のデータを収集し、解析するというものだ。
「glucose flight」で収集された血糖値データを、活動量計測、腸内細菌叢検査、食事記録、生活習慣の記録、NTTデータの健康診断結果や遺伝子検査結果を含む幅広いヘルスデータと組み合わせて解析することで、食後血糖値の上昇を予測し、それぞれのユーザに最適な健康管理の提案が可能となる。

両社は今後、このPoCの成果をもとに、さらなるPoCやデータ解析サービスの開発を共同で進めていく予定だ。また、国内大手食品メーカとの食後血糖上昇の予測に関するPoCも進行中とのことだ。
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