高齢化などによりがん患者数が増加する中、治療の長期化や再発への対策が求められ、その大部分ががん診療連携拠点病院に集中している。その結果、医師の業務逼迫が生じ、医師の働き方改革が急務となっている。
そこで、SCSK株式会社、大阪国際がんセンター、LIGARE血液内科太田クリニック・心斎橋、大阪公立大学医学部附属病院は、SCSKが開発した医療機関向けDXソリューション「Dr2GO」を活用して、がん患者の地域医療
連携効率化に向けた共同研究を2024年8月より開始した。
この研究では、大阪国際がんセンターや大阪公立大学医学部附属病院での受診後に、LIGARE血液内科太田クリニック・心斎橋に紹介される血液がん患者を対象に、紹介元(がん診療連携拠点病院)から紹介先(地域医療機関)に対する患者の「紹介相談」や「地域連携パスの共有」に加え、紹介先から紹介元に対する「治療経過の共有」や「チャットによる治療相談」をデジタル化する。
これにより、がん治療における診療連携拠点病院と地域医療機関の連携の有用性を検証する。
なお、この研究は、SCSKが「Dr2GO」の倉敷エリアでの共同研究で拡張した「地域連携機能」を使用し、「がん診療地域医療連携プラットフォーム」で行われる。そして、診療現場での医療連携に関する時間や作業負担などの有効性を評価し、臨床現場での応用や他エリアへの展開の可能性を明らかにするものだ。
今回の研究にて構築した「がん診療地域医療連携プラットフォーム」を活用することにより、大阪エリアだけでなく全国展開を目指し、血液がんだけでなく広範ながん領域への展開も視野に入れるとのことだ。
今後SCSKは、AIなどの技術を活用した「医療機関の各種事務作業の効率化機能」を開発する予定だ。さらに、共同研究で明らかにした「Dr2GO」の有用性を活用し、診療に必要な情報を掲載する機能を実装するとしている。
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