株式会社JMDCは、集積したヘルスビッグデータを活用し、小児における疾病の流行状況が把握可能なダッシュボード「キッズヘルスステーション」の無償提供を開始した。
「キッズヘルスステーション」は、JMDCが提供する商用のデータベースから、0~14歳の小児のデータを可視化したものだ。なお、健康保険組合由来データベースは、全国に存在する健康保険組合の約20%である300組合以上、薬局由来データベースは、全国に存在する薬局の約10%である6,000軒以上がデータ集積元だ。
JMDCが提供する薬局由来データベースは速報性が強みで、毎週月曜日に前週のデータが更新される。都道府県ごとの疾病の流行状況を「流行指数」として数値化し、提供する。
現在、保健所から公表されているインフルエンザやRSウイルスの流行状況においては、公表まで約2週間のタイムラグがあるが、「キッズヘルスステーション」では最短2日のタイムラグで情報を公開することが可能となっている。これにより、最新の流行状況に基づいた行動変容を促し、感染症の拡大抑止に寄与することを目指す。
また、「キッズヘルスステーション」では医薬品の処方状況に基づき、感染症に加え、風邪や胃腸炎の流行状況も予測する。なお本日時点では、「インフルエンザ」「風邪症状」「胃腸炎」の3疾病が対象だが、今後さらに対応疾病を増やしていく予定だ。
愛知医科大学の鈴木孝太教授は、「子どもの感染症、特にインフルエンザは、集団生活を送っている保育園や幼稚園、学校で流行が始まると、あっという間に感染が拡がる。そのため、教育機関における学級閉鎖や休校、家庭における手洗いの徹底などの感染対策を、効果的に実施するためには、できるだけタイムリーに流行を把握することが重要だ。
キッズヘルスステーションは、これまでよりも早く感染症の流行状況を知ることができるため、学校や家庭における感染対策をより効果的に実施することにつながると期待される。」とコメントしている。
なお、「キッズヘルスステーション」の無償提供は、JMDCが集積するヘルスビッグデータを活用し、小児における疾患・治療の実態についての研究が困難な状況を解消するための取り組みを推進するプロジェクト「Big Data For Children」の活動の一環だ。
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