株式会社WOWOWと株式会社CinemaLeapが共同製作したVRアニメーション「Clap」が、第78回ヴェネチア国際映画祭バーチャルリアリティ(VR)部門「Venice VR Expanded」にノミネートされた。昨年両社が共同製作した「Beat」に引き続き、VRアニメーション監督の伊東ケイスケが監督し、WOWOWとしては2年連続のノミネートとなった。
同作品は、ハンドトラッキング機能を利用し、体験者自身の両手をVR空間内で認識して「Clap=手をたたく」というインタラクションによりストーリーが進む。
ハンドトラッキングとは、同作品の対応デバイスであるOculus Quest2に搭載されている機能で、デバイスに設置されているカメラでとらえた体験者の手と指の映像をディープラーニング(深層学習)で解析し、位置などの情報を取得することでVR空間でも体験者の手を認識することができ、VR空間での操作をコントローラーを使わずに自分の手を使って行うことができる機能だ。
また、同作品はWOWOW Lab(※)の活動で培ってきたイマーシブオーディオ制作技術を活用し、音楽と効果音は11chで制作している。視覚だけでなく、聴覚でも360度空間を体感できる作品となっている。
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- あらすじ
この物語はClapの受け手である主人公と、送り手であるあなたの目線で紡がれる物語です。自分に自信がなく、自分のことをなんの取りえもないちっぽけな存在だと感じてしまい、糸のような姿になってしまった主人公、糸男。ある雨の日、糸男が路地を歩いていると、偶然目の前にさびた空き缶が落ちてきます。
その空き缶から鳴り響く、おかしくも心地良い音に魅了された彼は、缶でメロディーを奏でることを思い付きます。やがて糸男の周りには大勢の人だかりができ、拍手の音も大きくなっていきます。しかし次第にその拍手が大きなプレッシャーとなり、彼を悩ませます。
糸男はなぜ拍手が怖くなり、受け入れられなくなってしまったのか。あなたの心からの拍手を糸男に届けることができたとき、Clapは本来の意味を取り戻し、美しい音色を奏で始めます。
※ WOWOW Lab:WOWOW単独では難しいさまざまな取り組みを外部連携を積極的に行なうことで継続的に実現させるための仕組み。クリエイター、エンジニア、技術系スタートアップ企業などと組み、コンテンツに関わる新しい技術の実験や試験を行ない、ユーザーに向けた新しいコンテンツ・サービスを生みだすことを狙いとしている。
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