IDC Japan株式会社は、2021年第4四半期(10月~12月)のAR/VRヘッドセットの世界および国内における出荷台数を発表した。
IDCが発行するIDC Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Trackerのデータに基づくと、2021年第4四半期の世界のAR/VRヘッドセット出荷台数は、前年同期比47.0%増の519万台となった。このうち、ARヘッドセットは7.6%増の8万台、VRヘッドセットは47.9%増の511万台だった。また、2021年通年のAR/VRヘッドセットの世界出荷台数は前年比92.1%増の1,123万台となった。第4四半期は2021年通年の出荷数の約50%を出荷し、非常に好調な四半期となった。
米国IDC Mobility and Consumer Device Trackersリサーチ・マネージャーであるJitesh Ubrani氏は「Metaは、非常に入手しやすい価格のヘッドセットを提供し、コアなゲームユーザーを超えて、非ゲーマーや企業の関心を喚起することによって、AR/VR業界をリードしてきました」と述べている。
続いて「現状、Metaが圧倒的なシェアを獲得しているため主要な競争相手がいないように見えます。しかし、今後Appleや他のスマートフォンベンダーのヘッドセットが発売されてくることで、市場が活性化されることが期待できます」と述べた。
また、米国IDC Device & Consumer ResearchグループバイスプレジデントのTom Mainelli氏は「ARヘッドセット市場はAR/VRヘッドセット市場全体のごく一部であり、我々はビジネス利用分を認知しているだけです」と述べた。
そして「コンシューマー向けのARは、まだスマートフォンやタブレットの領域であり、当面はその状態が続くと思われます。一方、メタバースは誇大に喧伝されて、AR、VR、および多くの関連技術への投資を促進していますが、このことがすぐにヘッドセットの数量に影響を与えるとは思っていません」と述べた。
他方、国内のAR/VRヘッドセットの2021年第4四半期の出荷台数は、前年同期比20.2%増の13万台となった。2021年通年のAR/VR国内出荷台数は前年比18.3%増の33万台で世界市場の成長に大きく劣った。国内AR/VRヘッドセットは法人向け市場で成長したものの、コンシューマー向けが減少したために成長に歯止めがかかった。
IDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューションのマーケットアナリストである井辺将史氏は「近年、多くの企業や団体がAR/VRヘッドセットを用いた教育やトレーニング、遠隔支援に関するPoCを行ってきました。今はそれらの取り組みを経て、実用段階に入ってきたことが、国内の法人需要の増加に繋がっています」とコメントしている。
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