昨今、メタバース市場への関心が急速に高まる一方、国際的な倫理規定や新たな技術に対するルール策定が進んでいないという現状がある。また、匿名性の高いキャラクターアバターの不正利用や、バーチャル店舗における店員や窓口職員などの接客業務におけるなりすまし等の、新たなリスクが考えられている。
このような中、凸版印刷株式会社は、アバター本体の管理や本人認証に加え、アバターに電子透かしや、NFT(非代替性トークン、Non-fungible token)を付与する、アバター生成管理基盤「AVATECT」を、2022年2月に開発している。
そして凸版印刷は本日、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)と共同で、メタバース空間におけるアバターの真正性付与および証明に関する公開実証実験を実施することを発表した。
具体的には、DeNAが開催するメタバースイベント「Mobage 3D Park」の参加者が、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT」を活用して、真正性情報をアバターに付与できるようにする。
ユーザーは、あらかじめダウンロードしたアバターを「AVATECT」 に登録し、電子透かしによる真正性情報を付与するなどした後、「Mobage 3D Park」に参加することで、アバターの流出および改ざんを抑止できたかなどの具体的な効果を検証する。
これにより、コンテンツホルダーのメタバースビジネスにおける課題抽出や、その課題に対する「AVATECT」の有用性を検証するというものだ。
この実証を通じて凸版印刷は、コンテンツホルダーが抱えるメタバース活用の課題である、アバターの不正コピー防止を始めとした著作権保護効果や、真正性付与アバターの挙動に関する技術検証などを実施するとしている。
今後は、「AVATECT」での保護対象を、フォトリアルアバターだけでなくキャラクターアバターにも拡張させ、メタバース事業におけるIP保有企業とのさらなる連携を強化していく予定だ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。