昨今、在宅勤務を中心としたテレワークが普及し、デジタルコミュニケーションの心理的ハードルやコストが下がっている一方で、テレワーカーの孤立や、偶発的なコミュニケーション低下が課題となっている。
そうした中、株式会社ホロラボと株式会社日建設計は、仮想空間と現実空間のセンサ情報を組み合わせ、MR(Mixed Reality:複合現実)技術で繋ぐワークプレイス「Cyber-Physical Workplace(以下「CPW」)」の実現に向けて、MRプロトタイプアプリケーションを開発した。
今回開発されたMRアプリケーションは、テレワークと現実のオフィスを問わず、ワークプレイスの偶発的な出会いを創出するため、MR技術によりノンバーバル(非言語)コミュニケーションを強化している。
在宅ワーカーはVRデバイスを通じてオフィスの仮想空間(デジタルツイン)に没入し、オフィス内に実在するオフィスワーカーのアバターと交流できると同時に、オフィスワーカーはARデバイスを通じてオフィスの現実空間に投影された在宅ワーカーのアバターと触れ合うことができる仕組みだ。
仮想空間は、コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報と建築物の属性情報を併せ持つBIMデータを元に構築している。現実空間は、IoTを活用したセンサ情報を組み合わせ、オフィスの位置を合わせたデジタルツインを実現している。
仮想空間とセンサデータは、リアルタイムな人の位置情報をAPI連携することで融合させている。
また、コミュニケーションの解像度を上げるためにゲーム用マルチプレイヤーエンジンを利用。ハンドトラッキングは指の動きまで再現している。
2022年8月9日に実施した実証実験では、在宅ワーカーの孤独感の軽減や、在宅ワーカーとオフィスワーカー両者の身振り手振りも合わせたノンバーバルコミュニケーションが可能であることが確認されているという。
今後両社は、コンテンツ共有やプレゼン機能などのビジネス向け機能及び、ノンバーバルコミュニケーション機能を強化するとしている。
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