凸版印刷株式会社は、現実世界をサイバー空間上に再現する「デジタルツイン」で仮想と現実を行き来する、遠隔体験サービス「デジタルツイン・ワールドトリップ」を開発した。
「デジタルツイン・ワールドトリップ」は、現地を再現したフォトリアルな仮想空間と、仮想空間のみでは再現できない部分をリアルタイムで中継するシステムを組み合わせて提供する。
遠隔地のユーザは、フォトリアルな仮想空間へアクセスでき、空間内をアバターキャラクターで動き回ることができる。
また、現地の固定カメラやウェアラブル型コミュニケーションデバイス「IoANeck」を装着したガイド、分身ロボットの位置情報を元に、各アバターキャラクターがフォトリアルな仮想空間の同じ位置に表示される。
例えば、現地の分身ロボットが移動すると、フォトリアル空間のアバターも同期して移動する。
これらのアバターキャラクターを選択し、「ライブ接続」の機能を選択すると、固定カメラや「IoANeck」、分身ロボットのカメラ映像でライブ(アバターライブ)を体験することができる。
デジタルツイン空間内での訪問者同士のコミュニケーションは、音声通話に加え、テキストチャット(多言語翻訳付)やスタンプを使ってのコミュニケーションが可能だ。
利用用途としては、「工場見学およびライブコマース」「不動産商品のデジタルツイン化」「文化遺産・観光名所めぐり」が挙げられている。
なお、「デジタルツイン・ワールドトリップ」は、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)が展開する共創空間「LINKSPARK大阪」にて、2023年4月から実証実験を開始する。
この実証では、デジタルツインを用いた遠隔体験が、映像配信やWeb会議システム等に比べ、現地と同様の対面案内を遠隔地のユーザに提供できるかを検証する。
今後凸版印刷は、実証を通じ、2023年10月より正式にサービスを開始する予定だ。
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