株式会社TBWA HAKUHODOでは、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、2020年3月から出社と在宅勤務を組み合わせるハイブリッドワークを開始し、業務を進めている。TBWA HAKUHDOの新しいワークスタイルとしてハイブリッドワークが定着する一方で、社内における偶発的な会話が減少したり、リアルな場に集まって同時に同じ業務に取り組む機会が減ったりと、社内コミュニケーションやチームビルディングにおける課題がある。
そこでTBWA HAKUHODOでは、ハイブリッドワークが続く中でも社員間のコミュニケーションの質を高めるために、2022年よりメタバースを活用した社内コミュニケーション活性化プロジェクトを立ち上げている。メタバースや新しい技術を積極的に取り組むことでクリエイティビティを進化させ、部署や役職を超えた新たなコラボレーションを目指してきた。
2022年では「メタバースを活用した経営会議」や、複数の社員が社長のアバターを利用し会社や経営に対する意見を経営会議にて率直に話し合う「アバター社長経営会議」を実施、誰でも自由にVRやメタバースを利用することができる「VR専用室」を設置するなどさまざまな施策を実施してきた。
そしてこのほどTBWA HAKUHODOは、メタバース(仮想空間)上にTBWA HAKUHODOオフィスを再現し避難訓練を行うことができる「THE ESCAPE」を開発し、4月から社内での運用を開始した。
THE ESCAPEは、オフィスにいるときに地震が起きたところから始まり、複数人でけが人の救助や火災の対処をしながらオフィスからの避難を目指す。オフィスはレイアウトを忠実に再現し、救急箱や消火器なども実際に置いてある場所に配置されている。参加者はVRゴーグルを装着して3Dオフィス空間に没入し、コントローラーを持って、しゃがむことで身の安全を確保したり消化活動をしたりと、次々に求められるミッションを遂行していく。
THE ESCAPEは2023年度のスタートにあわせて、4月から希望者やチームから順次体験できるように運用を開始した。最大8人での実施が可能なため、同じコンテンツに参加してコミュニケーションをとることで、チームビルディングへの寄与や、出社回数が少なくなっている中でこれまでより低くなっているであろうオフィスにおける防災意識の向上につながることが期待されている。
今後は、社員の体験者数を増やし、防災訓練参加率100%の達成を目指すと共に、部署を超えたチームビルディングのツールとしても運用していく予定としている。加えて、新入社員や中途入社社員の研修プログラムにも導入し、オフィスの構造になれるためのツール及び社員間交流の活性化のツールとしての活用を狙う。
また、メタバース上での防災訓練やチームビルディングは自社に限らず、日本の多くの企業にもニーズがあると考えるため、今後はこの技術を活用して他企業での導入サポートも開始することを目指している。
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