三井デザインテック株式会社、株式会社PocketRD、株式会社マクニカ、ハイラブル株式会社の四社は、メタバースを活用した新たな働き方の可能性を検証する実証実験を、三井デザインテック本社オフィスで実施し、メタバース会議の有効性を可視化したことを発表した。
今回の実証実験では、PocketRDのメタバース構築技術と、マクニカの脳波分析、ハイラブルの会話分析を組み合わせ、バーチャル空間とリアル空間がそれぞれどのような働く場としてのメリットを持つのかを検証した。
具体的には、リアル空間をメタバース上に再現し、収束打合せ10分、拡散打合せ5分という同じ条件のもとに会議を実施。会議の内容を脳波計測・会話分析の定量データと参加者アンケートによる定性データから分析を行い、検証した。
その結果、メタバースはリアル空間と比べて参加者の発言量が均等に近いことが、会話分析データで確認された。このことから4社は、「メタバースでは、相手の表情が見えないため顔色を伺わず率直な発言ができると考えられる」としている。
また、脳波計測データからも、メタバースはリアル空間と比較して会議への注意散漫度が低いことが分かった。これにより、「メタバースでは外部の情報が遮断されるため、より議論の中身へ集中しやすい」と推測している。
参加者アンケートにおいても、メタバースでは「画期的なアイデアがひらめいた」と答えた割合が大きく、メタバースと「拡散打合せ」との相性の良さが明らかになったのだという。
加えて、リアル空間では、会話分析の結果からメタバースに比べて会議の参加者がお互いの間を読み、相手の表情を見ながら議論を進めるため、ファシリテーターが出現する可能性が高く、発話量に偏りが出やすいことが確認された。
アンケート結果からも、「効率的な議論ができた」の割合がメタバースよりも高くなり、リアル空間は「収束打合せ」と相性が良いと考えられている。
今後三井デザインテックは、今回の実証実験の結果を踏まえ、リアル空間と相補的なメタバースの実現を目指し、拡散打合せに特化したメタバースを構築中だ。
メタバースがリアル空間とは異なる役割を担うことで、リアル空間・メタバース・リモートワークを組み合わせた新しい働き方を模索しているのだという。
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