ライカジオシステムズ株式会社は、完全自律飛行型レーザスキャナ「Leica BLK2FLY」(以下、BLK2FLY)について、2024年3月1日から日本国内で受注開始することを発表した。
BLKファミリーは、完全に統合された自律飛行型レーザスキャニングセンサだ。すでに欧州では2021年に発売されており、2023年には新たに屋内スキャン機能が搭載されている。
今回発表された「BLK2FLY」は、スキャニングプロジェクトをより広範囲にカバーできるようになり、屋内外を問わず、構造物全体のデジタルツインを構築することができる新製品だ。
タブレットを数回タップするだけで起動し、ユーザは構造物や環境を空中からスキャンすることができる。空からのスキャニングは、構造物の外観の特徴や寸法を完全に捉えることができるため、立ち入りが困難な場所や手の届きにくい場所(ファサードの突起や屋上など)の正確なデータを必要とするケースにおいて役立つ。
また、LiDAR、レーダ、カメラ、GNSSのセンサの融合による、自律障害物回避機能を備えている。ユーザは、「BLK2FLY」からのデータと地上型スキャナで取得した建物や構造物の内部スキャンを組み合わせることが可能だ。
取得した色付き3D点群は、現場の状況を記録するなど、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)プロセスに役立つ。
加えて「BLK2FLY」は、GNSSが利用できない場所でもスキャン可能で、発電所や変電所をはじめとした立ち入りが困難な環境でも屋内外でスキャンできる。
さらに、自律飛行システムの性能が向上したことで、センサの空間認識能力が高まり、より狭い空間での障害物回避が可能になった。この新機能は、HexagonのビジュアルSLAMシステムの進化によるもので、「BLK2FLY」の飛行可能範囲を直径3メートルまで向上させている。
なおユーザは、タブレット端末やスマートフォンを使って現場からデータをクラウドにアップロードし、データの合成、メッシュ化、3Dモデルの作成を、現場から自動的に行うことができるHexagonのクラウドアプリケーション、「Reality Cloud Studio(Powered by HxDR)」も活用することができる。
ライカジオシステムズの代表取締役社長の日比は、「BLK2FLYにより、UAVベースの高度な自律型スキャンが可能になった。これにより、複数の業界、特にデジタル建設、建築、歴史的保存物、公共事業におけるリアリティキャプチャーのワークフローを再定義した。屋内でもスキャン可能になったBLK2FLYにより、ユーザは建物や構造物の完全で包括的なデジタルツインを作成できる」と述べた。
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