株式会社ジョリーグッドと大塚製薬株式会社は、共同事業であるVRトレーニングプログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」の新たなプログラムとして、「認知症ケア支援VR」を開発し、2024年9月10日より提供を開始した。
「認知症ケア支援VR」は、認知症の方の家族や介護士をはじめとする介護者の方々が、認知症の方の気持ちや行動の背景を知り、具体的な対応を学ぶための、専門医監修の体験型VRトレーニングプログラムだ。
認知症になると、物事の段取りや手順が分からなくなったり、もの忘れをしたりなどの症状がしばしば起きる。ただ、当事者は何も分からなくなってしまったのではなく、認知症による自身の変化に戸惑ったり、不安を感じていたり、他者とコミュニケーションがうまく取れないことにストレスを感じていたりする。
そこで同プログラムは、認知症の方の気持ちや行動の背景を理解し、対応の工夫を学ぶことによって、行動・心理症状を軽減し、介護者の精神的負担を緩和することを目指している。
「認知症ケア支援VR」のプログラムは、専門家の監修に基づき開発されており、大きく「認知症の症状の理解」「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」「リラックスVR」といった3つのテーマで構成されている。
「認知症の症状の理解」では、介護者が戸惑った場面を家族目線で体験し、場面を振り返りながら、認知症の症状について理解を深める。
「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」では、介護者が認知症の方と接する中で難しいと感じる場面の体験を、「きっかけ→気持ち・行動→対応」という流れで分析を行い、きっかけを変えることや、認知症の方の気持ちを理解した対応へのアドバイスが提供される。認知症の各症状に起因するそれぞれの行動に対しての複数のコンテンツが用意される予定だ。
「リラックスVR」では、リラックスできるVR空間で呼吸法を用い、介護者の方々が体と心をリラックスさせる体験を通じ、ストレス軽減を図る。
まずは、2024年9月10日に「認知症の症状の理解」および「認知症の方の気持ち・行動の理解と工夫」のプレリリース(お試し体験)を行い、12月に販売を開始す流予定だ。
今後は、様々なパートナーとヘルスケアVRの制作ノウハウを他の精神科領域にも拡大していくとともに、当事者と介護者の方々の体験を通じて得られた意見を基にさらなる開発を行うとしている。
なお、全てのVRコンテンツは、慶應義塾大学 医学部 精神・神経科/医療安全管理部 准教授 藤澤大介医師が監修したとのことだ。
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