セコム株式会社は、ITベンチャーのカディンチェ株式会社との協働により、バーチャルリアリティ(VR)技術を活用した研修プログラムを開発し、社員教育に導入すると発表した。
同研修プログラムは、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)を装着して、画面に表示される全周囲の映像を見ながら、その状況における模範的な対応を疑似的に体験し、学習するものだ。
VR技術を活用した研修プログラムは、準備・片付けに多くの費用がかかる研修、危険性が高く体験機会が限られてしまう研修を、より多くの社員が安全に疑似体験、学習することが可能になる。
具体的な研修プログラムは、「煙が充満する中での避難誘導」「避難器具の体験シミュレーション」で、順次VRに適した研修コンテンツを充実させていくという。
セコムは、VR技術による体験型研修を活用することで、社員一人ひとりのスキルアップを図り、サービス品質の向上につなげていくとしている。
今回のカディンチェとの協働は、「セコムオープンラボ」を通じて生み出された取り組みだ。
「セコムオープンラボ」は、セコムオープンイノベーション推進担当が主催している社会連携アイデアソンだ。毎回異なるテーマについて分野・業界を超えた多くの参加者と大勢で未来に向けた議論・対話を行うことで、未来に共感する仲間づくりを進めて、共に今後の社会を展望していくことを目的としている。
VR技術には「疑似体験が可能」「没入感がある」といった特長がある。臨場感があるため、教育・研修分野においては「体験機会が少ない」「危険が含まれる」「座学より“体験”に価値がある」などの訓練と相性が良いといわれている。
今回採用されたVR技術を活用した研修訓練プログラムは以下のとおりだ。
- 「煙が充満する中での避難誘導」
- 自動火災報知設備が発報し、警備員が現場に駆けつける。
- 部屋の扉を開けると煙が充満している状況の中、どう動くべきかを学ぶ。
- 「避難器具の体験シミュレーション」
- 避難器具を使って、高所から避難する訓練を行う。
- 避難者の目線から「器具を使う際の注意点」と「誘導時の声掛けのポイント」について学ぶ。
【関連リンク】
・セコム(SECOM)
・カディンチェ(Kadinche)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。