NECは、広島県立広島がん高精度放射線治療センター(以下 HIPRAC(ハイプラック))に、NEC子会社の株式会社サンネットを通じて、SaaS型電子カルテサービス「MegaOakSR for SaaS(メガオーク エスアール フォー サース)」の提供を2015年10月より開始した。
広島県が設立し、広島県医師会が運営するHIPRACは、4基幹病院(注1)およびその他の医療機関などから紹介されたがん患者に対して、高精度放射線治療(注2)を実施する専門センターだ。既存の医療機関で検査・診断が行われている患者をHIPRACで治療し、治療後の患者のフォローアップは紹介元の病院が行うため、HIPRACと医療機関で患者の治療状況を共有する必要があった。
そこで、HIPRACはNECのSaaS型電子カルテサービス「MegaOakSR for SaaS」を導入し4基幹病院と共同利用することにより、患者の診療データの共有を実現した。なお、診療データはNECのデータセンターで厳重に管理されている。
【背景】
がんは日本における最大の死亡要因であり、がんに罹る人は今後ますます増加すると見込まれている。こうした中、放射線治療とりわけ高精度放射線治療への期待はますます大きくなっている。
来、がん患者の放射線治療は各病院で実施されてきたが、人的・物的資源を個別の医療機関単位で投入せずに、より高精度な放射線治療を提供できる医療体制を整えるため、がん放射線治療の新拠点として4基幹病院の連携・共同事業でHIPRACが設立され、専門性の高い医師・スタッフの集約や最新の治療装置が導入された。
また、同連携実現のため、HIPRACと4基幹病院では、患者の診療情報を共有できるSaaS型の電子カルテサービスの導入が必要だった。
【特長】
HIPRACと、連携する4基幹病院とは、NECが提供するSaaS型電子カルテサービス「MegaOakSR for SaaS」を共同利用し、がん患者の診療データを共有する。
同サービスは、主に100床未満の病院向けに、電子カルテや医療事務などの機能を、セキュアなクラウド環境を通して提供するものだ。そのため、HIPRACの職員は、電子カルテの運用管理や医療事務の改訂作業などに労力をかけることなく、放射線治療の実務に専念することができる。
また、患者の診療データが一元的に管理されるため、4基幹病院はがん患者の治療の進捗状況を的確に把握することができ、重複検査などを防ぐことにもつながる。
なお、診療データは、建物の耐震など地震への対策や、監視カメラ・生体認証による入退室管理などのセキュリティ対策を実施しているNECのデータセンターで厳重に管理されている。
(注1) 広島大学病院、県立広島病院、広島市立広島市民病院、広島赤十字・原爆病院の4病院。
(注2) 病巣を三次元で立体的に捉え、正常組織への副作用を最小限にとどめながら効率的にがん細胞を攻撃していく治療法。
【関連リンク】
・NEC
・サンネット
・広島がん高精度放射線治療センター ハイプラック(HIPRAC)
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