【概要】
■2014年の国内3Dプリンター本体の出荷台数は9,927台、売上額は208億円
■3Dプリンター本体に周辺サービス/造形材料を含む2014年の総売上額は336億円
■2014年~2021年の総売上額年間平均成長率は18.8%、2021年は1,124億円と予測
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内3Dプリンター本体および関連市場(周辺サービス(*1)/造形材料)の2013年~2014年の実績と2015年~2021年の予測を発表した。
これによると、3Dプリンター本体および関連市場を合計した2014年の国内の売上額は336億3,000万円(前年比成長率65.3%)であることが分かった。
また、2014年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を18.8%、2021年の総売上額を1,123億7,000万円と予測している(*2)。
2014年の3Dプリンター本体市場の売上額は、全体で208億円(前年比成長率80.3%)だった。
市場セグメント別では、本体価格50万円未満のデスクトップ3Dプリンターが15億2,000万円(構成比7.3%)、本体価格50万円以上のプロフェッショナル3Dプリンターが192億8,000 万円(同92.7%)。
周辺サービスの売上額は86億1,000万円(前年比成長率44.1%)で、三次元受託造形(3Dプリント)サービスが普及して利用者が増えたほか、プロフェッショナル3Dプリンターの稼働台数増に伴い、保守/修理サービスの売上が増加した。
造形材料の売上額は42億2,000万円(同49.1%)で、稼働台数増に加え、造形材料の多様化や業務用途の拡大等により、消費量が増加した。
2014年の3Dプリンター本体の出荷台数は9,927台(前年比成長率157.1%)。
内訳はデスクトップ3Dプリンターが7,750台(構成比78.1%)、プロフェッショナル3Dプリンターの出荷台数が2,177台(同21.9%)だった。
ベンダー別シェアでは、デスクトップ3Dプリンターの第1位がXYZプリンティング41.3%、第2位がストラタシス19.4%、第3位がムトーエンジニアリング15.7%、第4位が3Dシステムズ 14.2%となった。
プロフェッショナル3Dプリンターは第1位がストラタシス43.0%、第2位が3Dシステムズ24.9%、第3位がキーエンス8.3%、第4位がローランドディー.ジー.で5.5%となった。
どちらの市場セグメントも、新規参入ベンダーの出荷台数の伸びが顕著な1年となった。
国内3Dプリンター本体および関連市場は2014年に大きく成長したが、IDCでは2015年以降も成長が持続するとみている。
具体的には、3Dプリンター本体の出荷台数は2014年~2021年のCAGRを27.9%、2021年には55,545台に達すると予測、また、3Dプリンター本体売上額は同期間のCAGRを13.4%、2021年には502億8,000万円に達すると予測している。関連市場については、2021年の売上額が周辺サービスは320億5,000万円、造形材料は300億4,000万円に達すると予測している。
IDCでは、こうした成長にはプロフェッショナル3Dプリンターの果たす役割が大きく、2015年以降も3Dプリントサービス事業者やユーザー企業への導入が拡大し、それに伴って周辺サービス/造形材料の売上額が増加する構図が続くとみている。
一方、デスクトップ3Dプリンターは売上額では少ないものの、今後も個人を中心に利用者の裾野拡大の役割を担っていくとみている。
IDC Japanイメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション マーケットアナリストの菊池敦は「国内3Dプリンター市場は、デスクトップ/プロフェッショナルのすみ分けが進んでおり、3Dプリンターベンダーには別々の戦略が必要となる。
その鍵は、デスクトップ3Dプリンターは個人ユーザーを十分に意識した操作性と認知の向上、プロフェッショナル3Dプリンターは高付加価値部品製造へのシフトなど用途の高度化、および造形ノウハウの蓄積である。
また、中長期的な視点から、次世代のユーザーや設計者を育成する取り組みも求められる」と述べている。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内3Dプリンター市場 2014年の分析と2015年~2021年の予測:三次元直接造形による産業構造転換の可能性」(J15591001)にその詳細が報告されている。
本レポートでは、国内3Dプリンター本体および関連市場の2013年~2021年の市場規模の推定/予測のほか、2014年の3Dプリンター本体のベンダー別シェアや、主要ベンダーのプロフィールを報告している。また、これらの分析を基に、国内3Dプリンター本体および関連市場が日本の産業構造を転換する可能性を考察している。
(*1) 3Dプリンター本体の保守/修理サービスと、サービスビューローが提供する3Dプリントサービスを含む。
(*2) IDCの通常の予測期間は5年間だが、3Dプリンターのように形成されて間もない市場ではより長期の予測が必要であることから、7年間とした。
※詳細については IDC Japan へ
・レポート概要はこちら
国内3Dプリンター市場 2014年の分析と2015年~2021年の予測:三次元直接造形による産業構造転換の可能性
<参考資料>
図1.国内3Dプリンター 市場セグメント別 出荷台数推移、2013年~2021年
Note: 2014年までは実績値、2015年以降は予測値である。
Source: IDC Japan, 6/2015
図2.国内3Dプリンター本体及び関連市場 売上額推移、2013~2021年
Note: 2014年までは実績値、2015年以降は予測値である。
Source: IDC Japan, 6/2015
図3.2014年 国内デスクトップ3Dプリンター本体 ベンダー別出荷台数シェア
Source: IDC Japan, 6/2015
・関連リンク IDC Japan http://www.idcjapan.co.jp/top.html
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