IDC Japan株式会社は、国内のローコード/ノーコードプラットフォームの動向に関する調査結果を発表した。
IDCではローコード/ノーコードプラットフォームフォームを、ドラッグ&ドロップによるビジュアルモデリングによって、アプリケーションのデザインから開発、テスト、デプロイメント、実行、管理まで、アプリケーションライフサイクル全体の統合環境を提供するソフトウェア製品またはクラウドサービスと定義している。
ローコード/ノーコードプラットフォームを提供している主なベンダーには、アウトシステムズ、アマゾン ウェブ サービス、NTTデータ イントラマート、クラリス、グーグル、サイボウズ、サービスナウ、セールスフォース・ドットコム、マイクロソフトがある。
国内企業435社に対してローコード/ノーコードプラットフォームの導入状況について調査した結果(2020年8月に実施)、ローコード/ノーコードプラットフォームを導入してアプリケーション開発に使用している企業は8.5%、導入に向けてテスト/検証中の企業は12.4%となっており、まだ本格的な普及には至っていないという。しかし、導入の計画/検討をしている企業は23.9%となっており、これからの導入の加速が期待される。
ローコード/ノーコードプラットフォームを導入している企業の45.1%は、導入理由として開発スピードの向上を挙げている。現在、多くの企業がDXを推進している。IT部門はDXを推し進めているビジネス部門や業務部門から、これまで以上に速いスピードでアプリケーションとシステムの開発や変更、拡張を要求されている。
開発工程の中で最も時間のかかるコーディングを減らすことができるローコード/ノーコードプラットフォームは、そうした要求に応える有望なソリューションとして期待が高まっている。また、自社エンジニアによる開発の内製化を行い、低コストでよりスピーディーな開発を実現するために、ローコード/ノーコードプラットフォームを活用する企業も増加していくと考えられる。
ローコード/ノーコードプラットフォームの大きな特徴のひとつは、コーディングやデータモデル作成、UI設計などのアプリケーション開発スキルが低いあるいはほとんどない人材でも開発が可能になることにある。
例えば、人事担当者が従業員情報を管理するアプリケーションを作る、あるいは総務担当者が申請手続きのアプリケーションを作るなど、従業員が業務の効率化や自動化をするためのアプリケーションを自分で開発することができるようになる。IDCでは、このようにアプリケーション開発がIT部門のエンジニアだけではなく様々な職種の従業員でも可能になることを「開発の民主化」と呼んでいる。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティのグループマネージャーである入谷光浩氏は「IDCでは、2024年までに従業員1,000人以上の企業において、従業員の30%がローコード/ノーコードプラットフォームを活用してアプリケーションの開発や業務の自動化を担うようになると予測している」と述べている。
続けて「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応に向けた業務アプリケーションやテレワークの作業効率を高めるアプリケーションを業務の現場で担当者が開発する事例も多く見られ、開発の民主化が着実に進んでいる」と述べた。
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