株式会社NTTドコモは、ドコモの通信モジュールを内蔵したベジタリア株式会社が提供する水稲向け水管理支援システム「PaddyWatch(パディウォッチ)」(以下システム)の機器を、2016年4月15日から全国の稲作農業生産者向けに販売を開始する。
同システムはセンサ機能と通信機能を搭載した機器を水田に設置することで10分毎にセンサから水位・水温・温度・湿度の4つの情報を取得することができ、それらの情報を1時間毎にドコモのネットワークを通じてクラウドに送信。なお、これらの通信機能の状態を「ドコモM2Mプラットフォーム」上で一元管理を行うことで、農業IoTとして安定したサービスを確保している。
生産者は専用のアプリケーションを介してスマートフォンなどで水田の状況を確認でき、水位や水温の変化を把握したうえで水田へ行って水やりなどの対応を効率的に行うことができる。さらに、クラウド上に蓄積した情報を時系列で過去と比較して表示することで、傾向の把握や今後の農作業の計画立案などに役立てることができる。
同システムは、2015年5月14日(木曜)から新潟市で行った実証実験をふまえて商用化するという。実証実験は国内36都道府県に拡大して実施された。今年度も継続して実施をしていく。
また、あわせてウォーターセル株式会社が農業生産者向けに圃場の航空写真を活用し、スマートフォンなどの画面上で日々の農作業などを記録することができるアプリケーションサービス「アグリノート」を、ドコモの法人向けサービスラインアップ「ビジネスプラス」のメニューとして4月15日(金曜)から販売を開始。
さらに、組織的に農業経営を行う農業生産法人向けに、所属する農業生産者の記録した情報をまとめて閲覧したり、一斉にお知らせ情報を配信できる機能を追加し、5月上旬に販売を開始する予定だという。
今後、「PaddyWatch」と「アグリノート」は農業IoTとしてシステム連携を予定している。センサから取得した情報を自動的に「アグリノート」に記録し、さらに効率的な農作業管理が可能となる。
また、ベジタリアとの協業により、「PaddyWatch」から収集したビックデータを、水温や湿度の管理が複雑で栽培が難しい酒米生産に活用するなど、役立つサービスの開発を予定。
PaddyWatch(パディウォッチ)
主な機能
PaddyWatch機器
・搭載しているセンサで水位・水温・温度・湿度の測定
・搭載している通信機能を使って、センサで測定した情報をクラウドへ送信
PaddyWatchアプリケーション
・10分毎に取得し1時間毎に送信された情報をスマホ等に表示
・過去のデータを時系列で表示
・農業用ピンポイント天候予測、雨量や乾燥状態などの各種注意報と連携して表示
価格
機器代金はドコモから、月額サービス利用料はベジタリアから請求。 ※2
機器代金
・水田センサ本体 99,800円(税別)
・設置用ステンレスポール 5,700円(税別)
サービス利用料
・月額1,980円(税別) ※3
※1 今後、スマートフォンなどで手軽に買い物できる「dショッピング」でPaddyWatchの機器を販売する予定。
※2 1水田につき上記の代金が必要。
※3 サービス利用料には、クラウドサーバー/アプリケーション/ピンポイント天候予測の利用料及び通信料が含まれる。
アグリノート(agri-note)
主な機能
・航空写真を活用した圃場確認
・日々の作業、生育状況、収穫時期などの情報を記録
・記録した情報を自動集計
利用料金
1アカウントあたり年額6,000円(税別)の一括払い ※4
※4 1アカウントあたり月額500円相当で利用できる。
【関連リンク】
・NTTドコモ(NTT docomo)
・ベジタリア(vegetalia)
・ウォーターセル(Water Cell)
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