近年、スマートフォンの普及や新型コロナウイルス感染拡大によって、オンライン・オフラインの融合など、顧客体験は複雑化している。そのような中、企業は顧客に対して継続的に自社のファンになってもらうため、オンライン・オフライン問わずさまざまなCX(顧客体験価値)を商品・サービスを通じて提供し、その商品・サービスの情緒的価値の向上に取り組んでいる。
一方で、これまで「体験者数」や「満足度」などでCXを評価しており、それが本当に効果的なものかどうかを評価することが難しいという課題があった。
凸版印刷株式会社と株式会社Emotion Techは、商品・サービスの情緒的価値を数値化し評価・分析する「GX(Good Xperience)スコアリング」を開発し、提供を開始した。
GXスコアリングは、凸版印刷の店頭POPやオンラインにおける販促支援サービスなどで培ったノウハウとEmotion Techの顧客ロイヤルティ調査・分析の知見を組み合わせたCX向上支援サービスである。
オンライン、オフラインで様々な体験をした顧客のインサイトを情緒的価値の5要素である「Sense」「Feel」「Think」「Empathy」「Social」(※)に即して、Emotion Techが持つ顧客体験向上マネジメントサービス「EmotionTech CX」で調査し、その結果を凸版印刷の消費行動研究室で培った独自の手法を用いて分析することで、商品・サービスの情緒的価値を数値化する。
これまで定量的に評価することが難しかった「その体験を通じ、どのように感じたか」といった顧客の情緒的価値を数値化することで、類似の商品・サービスと相対比較ができ、より効果的にCX全体のマネジメントを可能にする。
また、GXスコアリングの統一指標により、様々な体験を通してどの体験が顧客のロイヤルティを向上させているのかを可視化し、提供している体験の中で改善すべき要素を把握することが可能となり、顧客ロイヤルティ向上を支援する。
GXスコアリングの統一指標は以下の通り。
- Sense:知覚を刺激する体験
- Feel:感情に訴えかける体験
- Think:知性に訴えかける体験
- Empathy:共感できる体験
- Social:社会的意義を訴えかける体験
(美しさ、良い音楽、美味しさ、いい香り、手触りの良さ)
(かわいい、嬉しい、美しい、感動、熱狂、面白い、驚き)
(興味深い、勉強になる)
(自分ごと化、これまでと異なる生活への憧れ、やってみたい)
(社会的に良いことをしている喜び・達成感、仲間との繋がり)
※ 「Sense」「Feel」「Think」「Empathy」「Social」:「経験価値マネジメント」の著者であるバーンド・H・シュミット氏が、情緒的価値を「Sense(感覚的)」「Feel(情緒的)」「Think(知的)」「Act(行動、ライフスタイル)」「Relate(社会的)」の5つに分類。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。