IDC Japan株式会社は、国内アプリケーションPaaS(Platform as a Service)市場と国内インテグレーションPaaS市場の2020年の実績と2021年~2025年の予測を発表した。
アプリケーションPaaSは、アプリケーションの実行環境を提供するパブリッククラウドサービスである。2020年の国内アプリケーションPaaS市場は前年比成長率20.2%となり、市場規模は367億6,500万円となった。2021年は前年比成長率22.7%を見込んでいる。
DXを推進していく中でクラウドファースト戦略を強める企業が増え、Webアプリケーションの実行環境がオンプレミスからクラウドサービスへシフトしており、アプリケーションPaaSの利用が拡大している。また、ローコード/ノーコード開発プラットフォームとしてアプリケーションPaaSを活用する企業も増加している。
2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を21.1%と予測している。今後、DXがさらに進展していくことによって、コンテナ/Kubernetesやマイクロサービスによるクラウドネイティブアプリケーションの実行基盤としてアプリケーションPaaSの利用がさらに拡大していくとIDCはみている。
一方のインテグレーションPaaSは、複数のアプリケーションあるいはデータソースを接続し、連携や統合の管理を行うパブリッククラウドサービスである。2020年は前年比成長率42.3%、市場規模は128億8,000万円となった。2021年は前年比成長率38.7%を見込んでいる。
従来はパッケージソフトウェアを使用したアプリケーションやデータの連携/統合が主流だったが、近年はオンプレミスとクラウドのハイブリッド環境あるいは複数のクラウド環境における連携や統合が増加してきたことで、クラウドベースのインテグレーションPaaSの利用は増加している。
2020年~2025年のCAGRを29.3%と予測している。今後、企業の業務におけるクラウドサービスの利用がさらに増え、複数のクラウドサービス間におけるAPIやデータの連携需要が高まっていくとみられ、インテグレーションPaaS市場はさらに拡大を続けていくとIDCはみている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティのグループマネージャーである入谷光浩氏は「DXの進展と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機とした事業継続強化に向けて、クラウドサービスの利用はさらに拡大していく。その一方で、アプリケーションとデータは適材適所として複数のクラウドやオンプレミスに配置される傾向にある」と述べた。
続けて「企業は、アプリケーションPaaSとインテグレーションPaaSを活用し、分散されたアプリケーションとデータの流れを最適化あるいは自動化し、それらの活用度を高度化していくことが必要である」と述べている。
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