ぷらっとホーム株式会社では、2019年7月にプロトコルの違いを吸収し、事業者間などのプラットフォームを超えて任意のIoTデバイスやデータを利用できるデータ伝送基盤「DEXPF」を発表し、2020年7月には慶應義塾大学SFC研究所との共同研究を開始するなど、IoTデバイスから送信されるデータの利活用ネットワークに関する開発を重ねてきた。
このほど、ぷらっとホームは、IoTデータに所有権などの各種取引情報を付加し、IoTデータ流通を可能にするIoTデータ取引基盤「PTPF」のサービスを開始した。
PTPFは、DEXPFと連携し、伝送されるIoTデータにブロックチェーン技術でセキュアに所有権など各種取引情報を持たせ、データの行先などの制御を可能とするIoTデータ取引基盤である。これにより、IoTデータ流通が実現され、データと物理的なモノとの連携が可能となる。
従来のIoTデータには、その所有権や使用権などの情報を付加することができなかったが、PTPFを使うことにより、データの権利関係などが明確になり、相手によって送信する・しないなどの制御が可能となる。価格情報も持たせることができる。
また、IoTデータの属性や形式、権利などが含むメタデータは分散台帳技術を活用したブロックチェーンに格納され、第三者への情報アクセスを保証するとともに、改ざん不能なIoTの情報基盤を提供する。これにより、多様、大量のIoTデバイスでも、柔軟かつスケーラブル、セキュアな情報流通が実現できるという。
さらに、各事業者サービス間やプラットフォーム間のプロトコルや手順の違いを吸収し、IoTデータ転送を可能とするDEXPFとの連携する為、超低速、超高速、間欠、バルクなどIoTシステム固有の通信特性に対応しており、IoTデバイスの種類やメーカーの違いの垣根を越えて、権利情報付加、データ制御・管理が可能だ。
各IoTデバイスは様々な通信方式やデータ形式を採用しており、通信経路の途中にある各機器やサービスが読み込めるよう、デバイスが取得したデータ本体に各種プロトコルが付加されていき、通信に必要なデータサイズが増大していく。従来の技術で情報取引を行う場合、その上に取引内容のデータを付加するしかなく、一つ一つのデータは膨大となっていき、今後IoT社会で見込まれる超大量かつ多種類のIoTデバイスデータを高速で取引することは困難だった。
しかしPTPFでは、取引されるデータ本体の送受信はデータ転送に特化したプラットフォームであるDEXPFに任せ、取引の処理データのみに特化することにより、様々な種類、かつ大量のIoTデータを高速に処理することができるとのこと。
PTPFでデータ流通が実現することにより、各事業者の専用領域を横断してIoTデータを活用できるようになり、社会データや都市データなど、既存の様々なデータと組み合わせることが可能となる。今後、スマートシティ分野やモビリティ市場分野、金融市場分野など様々な分野での活用に積極的に取り組んでいく予定としている。
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