IDC、国内の産業用メタバースが働き方改善やCO2排出量削減などに寄与すると予測

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IDC Japan 株式会社は、国内の産業用メタバース及びデジタルツイン市場の動向の調査結果を発表した。

調査の結果IDCは、国内の産業用メタバース及びデジタルツイン市場はトップ画のようなステップで発展し、これにより働き方改善や生産性向上、CO2排出量削減などに寄与するとしている。

同市場の発展には、3D CAD、IoT、XR(eXtended Reality、AR/VR/MRの総称)を含む、現実世界と仮想世界をデータでつなぐ技術と、仮想世界でこれらをモデル化するためのデジタルツイン基盤技術が重要となる。

近年特に重要性を増しているのが、XRによって「人」を産業用メタバース及びデジタルツインに取り込むことだ。

その理由として、IDCは主に「人とロボットの協働の促進」「人同士のコラボレーションと働き方の改革」「人の安全性や快適性の向上」の3つを挙げている。

「人とロボットの協働の促進」に関しては、多くの産業現場では、主な働き手は人であるため、人を仮想世界に取り込むことで、両者の協働の促進が可能になるとしている。

「人同士のコラボレーションと働き方の改革」では、人が仮想空間に参加することで、対象物に関する直感的な評価や判断が可能になる。まだ実際のモノがない段階で異なる工程の担当者が仮想空間でコラボレーションすることによって、品質向上や手戻りの削減による生産性向上が期待されている。

「人の安全性や快適性の向上」では、産業用メタバース及びデジタルツインを使って危険を回避し、人が快適に働けるようにすることは、人手不足解消の重要な施策になるとしている。また、産業用メタバース及びデジタルツインを事故防止のトレーニングに活用する動きも増加している。

産業用メタバース及びデジタルツイン技術の普及シナリオは、下図のような市場の広がりが示されている。

IDC、国内の産業用メタバースが働き方改善やCO2排出量削減などに寄与すると予測
産業用メタバース及びデジタルツイン技術の普及シナリオ

初期の主要顧客は、社内に設計と生産の両部門を有する大手製造業や大手建設業者(ゼネコン)だ。この時点では市場の広がりはまだ限定的だ。

その後、これら初期の顧客が、産業用メタバース及びデジタルツインの構築に必要なデータを、彼ら自身の顧客へと引き継ぎ、引き継いだ顧客が、自社が保有する建物やそこで使用される装置などの運用に産業用メタバース及びデジタルツインを活用するようになると、市場は急速に拡大するとしている。

さらに、これらを人流、交通流、物流、サプライチェーンなど広域のデジタルツインなどと組み合わせることによって、社会全体のデジタルツイン化が可能となり、デジタルツイン上で高度なAIやシミュレーション機能の活用によるロボットや設備の自律的な運用を実現することで、働き方改善や生産性向上、CO2排出量削減などが実現するとIDCは述べている。

IDC Japan株式会社 Infrastructure & Devices リサーチマネージャーの小野陽子氏は、「労働力不足が深刻化する中、企業は、人とロボットの協働、人同士のコレボレーションの円滑化、働く人の安全性や快適性向上などを通じて、より生産性が高くより魅力的な労働環境を模索する必要がある。産業用メタバース及びデジタルツインは、そのための有効なツールとなるであろう」と述べている。

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